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対策問題集

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第44回:
“主な医薬品とその作用 Part6-(2)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

胃腸に作用する薬に関する次の記述のうち誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:味覚や嗅覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促すことにより弱った胃の働きを高めることを目的として、ゲンチアナ等の生薬成分が配合されていることがある。
  2. 2:腸管内の異常発酵によって生じた有害な物質を吸着させることを目的としてカオリンが配合されている場合がある。
  3. 3:消化管内の内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として、ジメチルポリシロキサンが配合されている場合がある。
  4. 4:胃腸の急な痛みは胃腸の過剰な動きによって生じることが多く、胃腸の運動や胃液の分泌は副交感神経系の刺激によって亢進することから、胃腸鎮痛鎮痙薬にはコリン作動成分が用いられる。
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答え
4
<解説> 一般用医薬品には様々な胃腸の症状に幅広く対応できるよう、制酸、胃粘膜保護、健胃、消化、整腸、鎮痛鎮痙、消泡等それぞれの作用を目的とする成分を組み合わせた総合胃腸薬があります。制酸と健胃のように相反する作用を期待するものが配合されている場合もありますが、胃腸の状態によりそれらの成分に対する反応が異なり、総じて効果がもたらされていると考えられています。しかし、消化不良、胃痛、胸やけなど症状がはっきりしている場合は、効果的に症状の改善を図るため、症状に合った成分のみが配合された製品が選択されることが必要です。

 消化管の運動は副交感神経の刺激によって亢進し、また副交感神経系は胃液分泌の亢進にも働きます。そのため副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることでその働きを抑える成分(抗コリン成分)が胃痛、腹痛、さしこみを鎮めることのほか、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待して用いられています。

次の消化器官用薬についての記述で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:塩酸セトラキサートは、過剰な胃液の分泌を抑えるために配合されている。
  2. 2:オキセサゼインは消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して用いられることがある。
  3. 3:塩酸パパベリンは消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示す。
  4. 4:ジオクチルソジウムスルホサクシネートは腸内容物に水分が浸透しやすくする作用があり、糞便中の水分量を増して柔らかくすることによる瀉下作用を期待して用いられる。
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答え
1
<解説> 胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す等の作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)、アルジオキサ、スクラルファート、ゲファルナート、ソファルコン、テプレノン、塩酸セトラキサート、銅クロロフィリンカリウム等が配合されています。これらのうち塩酸セトラキサートは体内で代謝されてトラネキサム酸を生じます。トラネキサム酸は炎症物質の産生を抑えることにより抗炎症効果があります。患部の炎症を和らげることを目的として、かぜ薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬、うがい薬、アレルギー用薬に配合されますが、血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人では生じた血栓が分解されにくくなることが考えられるので注意が必要です。

次の記述にあてはまる配合成分はどれか。

消化管の平滑筋を支配している自律神経に働いて、消化管の運動を調整する作用(消化管運動が低下しているときは亢進的に、運動が亢進しているときは抑制的に働く)があるとされる。まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。

  1. 1:塩酸ピレンゼピン
  2. 2:塩酸パパベリン
  3. 3:塩化リゾチーム
  4. 4:塩化ベルベリン
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答え
2
<解説> 塩酸ピレンゼピンは消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示しますが、消化管以外では一般的な抗コリン作用のため、排尿困難、動悸、目のかすみ等の副作用を生じることがあり、排尿困難のある人、緑内障の診断を受けた人では注意が必要です。

 塩酸パパベリンは消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示しますが、胃液の分泌を抑える作用はありません。自律神経を介した作用ではありませんが、眼圧を上昇させる作用があり緑内障の人は症状を悪化させることがあります。

 塩化ベルベリンは細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられています。タンニン酸ベルベリン、クレオソート等と同じように、通常の腸管内に生息する腸内細菌に対しても抗菌作用を示しますが、ブドウ球菌や大腸菌などに対する抗菌作用の方が優位であることと、下痢状態では腸内細菌のバランスが乱れている場合が多いため結果的に腸内細菌のバランスを正常に近づけることにつながると考えられています。

次の痔疾用薬に含まれている成分に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:塩酸ジブカインは局所麻酔作用を期待して用いられている。
  2. 2:グリチルレチン酸は肛門部の炎症を和らげる作用を期待して用いられている。
  3. 3:塩酸メチルエフェドリンは局所刺激成分として配合されている。
  4. 4:酸化亜鉛は粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる粘膜の保護・止血を目的として配合されている。
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答え
3
<解説> 外用痔疾用薬には、リドカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸ジブカイン、塩酸プロカイン等の局所麻酔成分が、鎮痒成分として、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン成分が、抗炎症成分として酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン等のステロイド性のものや、グリチルレチン酸、塩化リゾチーム等の比較的緩和な抗炎症作用を示す成分、アラントイン等の組織修復成分、血管収縮作用による止血効果を期待して塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン等のアドレナリン作動成分が配合されています。

 但し、塩酸メチルエフェドリンが配合された坐剤及び注入軟膏については交感神経系に対する刺激作用によって心臓血管系や肝臓でのエネルギー代謝等にも影響を生じることが考えられ、心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では症状を悪化させるおそれがあります。

次の症状に用いられる漢方処方製剤として最も適切なものはどれか。

疲れやすく四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇がある人における、下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみの症状に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、胃部不快感、腹痛、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。また、4歳未満の小児には適用がない。

  1. 1:竜胆瀉肝湯
  2. 2:牛車腎気丸
  3. 3:七物降下湯
  4. 4:三黄瀉心湯
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答え
2
<解説> 竜胆瀉肝湯は比較的体力があり、下腹部の筋肉が緊張する傾向がある人における、排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)の症状に適すとされています。

七物降下湯は身体虚弱の傾向にある人における高血圧症に伴う諸症状(のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重)に適すとされていますが、胃腸が弱く下痢しやすい人では胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされています。また15歳未満の小児への使用は避ける必要があります。

 三黄瀉心湯は比較的体力があり、のぼせ気味で、顔面紅潮し、精神不安で、便秘の傾向のある人における、高血圧に伴う諸症状(のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重感、不眠、不安)鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適すとされていますが、身体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人、だらだら出血が長引いている人では激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされています。

眼科用薬に含まれる医薬品成分に関する次の記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:ヒアルロン酸ナトリウムは有効成分としてではなく添加物(粘稠化剤)押して用いられ、コンドロイチン硫酸ナトリウムと結合することにより、その粘稠性を高める。
  2. 2:塩酸テトラヒドロゾリンは結膜を通っている血管を拡張させて目の充血を除去する。
  3. 3:スルファメトキサゾールは細菌感染による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられる。
  4. 4:ビタミンAは視細胞が光を感受する反応に関与していることから、視力調整等の症状を改善する効果を期待して用いられる。
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答え
2
<解説> 結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を除去することを目的として、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン等のアドレナリン作動成分が配合されていることがあります。但し緑内障と診断された人では、眼圧の上昇をまねき、緑内障を悪化させ、その治療を妨げるおそれがあるため注意が必要です。

 連用又は頻回に使用すると、異常な眩しさを感じる等、かえって充血をまねくことがあります。

 結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として、コンドロイチン硫酸ナトリウムが用いられます。同様の効果を期待してヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコールが配合されている場合もあります。ヒアルロン酸ナトリウムは有効成分としてではなく添加物(粘稠化剤)として用いられ、コンドロイチン硫酸ナトリウムと結合することにより、その粘稠性を高めます。

外皮用薬とその成分に関する次の記述について、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:副腎皮質ホルモンは末梢組織の免疫機能を増強させる作用を示すため、細菌、真菌等による皮膚感染を改善する目的で用いられる。
  2. 2:ブフェキサマクは切り傷、擦り傷、掻き傷等の創傷面の痛みや、湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等による皮膚の痒みを和らげる作用がある。
  3. 3:イブプロフェン配合の外皮用薬を使用している間及び使用後も当分の間は、塗布部が紫外線に当たることを避ける必要がある。
  4. 4:サリチル酸は角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す。
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答え
4
<解説> ステロイド性抗炎症成分は副腎皮質ホルモンの持つ抗炎症作用に着目し、それと共通する化学構造を持つ化合物が人工的に合成された、抗炎症成分です。

 末梢組織におけるプロスタグランジンなどの炎症を引き起こす物質の産生を抑える作用を示し、特にかゆみや発赤などの皮膚症状を抑えることを目的として、用いられます。

 一方好ましくない作用として末梢組織の免疫機能を低下させる作用を示し、細菌、真菌ウイルス等による皮膚感染や持続的な刺激感の副作用が現れることがあります。水痘、みずむし、たむし又は化膿している患部では使用を避ける必要があります。

 光線過敏症を起こすおそれがあるため、ケトプロフェン配合の外皮用薬を使用中及び使用後も当分の間は、紫外線に当たらないように注意が必要です。

 ブフェキサマクは非ステロイド性抗炎症成分で湿疹皮膚炎、かぶれ、日焼けあせも等による皮膚症状の緩和を目的として、用いられています。

歯槽膿漏薬に用いられるカルバゾクロムの配合目的に関する次の記述のうち正しいものを選びなさい。

  1. 1:歯肉溝での繁殖を抑える。
  2. 2:炎症を起こした歯肉組織からの出血を抑える。
  3. 3:炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用を期待する。
  4. 4:歯周組織の炎症を和らげる。
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答え
2
<解説> 炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待してカルバゾクロムが配合されている場合があります。他に、歯槽膿漏薬には局所麻酔成分として、アミノ安息香酸エチル、塩酸ジブカイン、テーカイン等が、齲蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として、フェノール、クレオソート、オイゲノール、塩化セチリピリジニウム等が、炎症を起こした歯周組織の修復を促す成分としてはアラントインが配合されている場合があります。
また、歯周組織の炎症を和らげることと目的として、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸や、口腔内に適用されるため、ステロイド性抗炎症成分が配合されている場合があります。ステロイド性抗炎症成分が配合されている場合、局所の免疫機能を低下させるので、皮膚感染症を起こすおそれがあり、その含有量によらず長期連用を避ける必要があります。

滋養強壮薬とその成分に関する次の記述について、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム吸収を促して骨の形成を助ける栄養素である。
  2. 2:ビタミンB1は脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。
  3. 3:ビタミンEは体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素で、血流を改善させる作用がある。
  4. 4:ビタミンB6は蛋白質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素である。
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答え
2
<解説> ビタミンB1は炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で神経の正常な働きを維持する作用があります。ビタミンB2は脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素です。またビタミンB6主薬製剤は塩酸ピリドキシン又はリン酸ピリドキサールが主薬として配合されていて、ビタミンB2、ビタミンB6は、口角炎、口内炎、口唇炎、湿疹、皮膚炎かぶれ、にきび、肌荒れ等にも用いられます。

 その他、滋養強壮薬にはカルシウム成分としてクエン酸カルシウム、乳酸カルシウム等、アミノ酸成分として髪や爪、肌などに存在しメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促すシステインや、肝臓機能を改善する働きがあるタウリン、エネルギーの産生効率を高め、骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促す等の働きがあるアスパラギン酸ナトリウム等が配合されています。

次の殺虫剤配合成分のうち、有機リン系殺虫成分を一つ選びなさい。

  1. 1:フェノトリン
  2. 2:メトキサジアゾン
  3. 3:メトプレン
  4. 4:ジクロルボス
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答え
4
<解説> 殺虫剤使用に当たっては殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため、同じ殺虫成分を長期連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していきます。

 有機リン系殺虫成分はコリンエステラーゼと不可逆的に結合してその働きを阻害することによるもので、哺乳類や鳥類では速やかに分解されて排泄されるため毒性は比較的低いと考えられます。

 フェノトリンやペルメトリン等のピレスロイド系殺虫成分は、除虫菊の成分から開発されたもので、比較的速やかに自然分解して残効性が低いため家庭用殺虫剤に広く用いられていますが、神経細胞に直接作用し神経伝達を阻害することにより殺虫作用を示します。

 メトプレンやピリプロキシフェンは幼虫が十分成長するまで蛹になるのを抑えているホルモンに類似した作用を有し、幼虫が蛹になるのを防ぎますが、蛹にならずに成虫になる不完全変態の昆虫やダニには効果がありません。

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