登録販売者.com

ログイン 無料登録

対策問題集

対策問題集

第43回:
“主な医薬品とその作用 Part6-(1)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

かぜ薬に含まれる成分と配合目的に関する組み合わせのうち、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:フマル酸クレマスチン : 鼻粘膜の充血を和らげ気管支を広げる。
  2. 2:グアイフェネシン : 痰の切れをよくする。
  3. 3:イブプロフェン : 鼻水を抑える。
  4. 4:エテンザミド : 咳を抑える。
答えを見る
答え
2
<解説> 総合感冒薬の中には発熱を鎮め、痛みを和らげる成分(解熱鎮痛成分)やくしゃみや鼻水を抑える成分(抗ヒスタミン成分、抗コリン成分)鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を広げる成分(アドレナリン作動成分)、咳を抑える成分(鎮咳成分)、炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)、鎮静成分等が含まれています。

 フマル酸クレマスチンは抗ヒスタミン成分として配合されることがあります。 イブプロフェンとエテンザミドは解熱鎮痛成分として、配合されていますが、エテンザミドについては、15歳未満の小児で水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要があります。イブプロフェンはアスピリンに比べて胃腸への影響が少なく、抗炎症作用も示すことから、頭痛、咽頭痛、月経痛、腰痛等に使用されることが多いですが、一般用医薬品では小児向けの製品はありません。

抗炎症成分についての次の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:塩化リゾチームは牛乳から抽出した蛋白質であるため、牛乳アレルギーのある人では使用を避ける必要がある。
  2. 2:セミアルカリプロティナーゼは蛋白質分解酵素で、体内で産生される炎症物質を分解する作用を示す。
  3. 3:トラネキサム酸は偽アルドステロン症を生じるおそれがある。
  4. 4:グリチルリチン酸二カリウムは凝固した血液が分解されにくくする働きがある。
答えを見る
答え
2
<解説> 炎症による腫れを和らげる成分として、塩化リゾチームは鼻粘膜や喉の炎症を生じた組織の修復に寄与するほか、痰の粘り気を弱め、また気道粘膜の線毛運動を促進させて痰の排出を容易にします。医薬品の配合成分として用いられている塩化リゾチームは鶏卵の卵白から抽出したもので、鶏卵アレルギーの人では避ける必要があります。

 セミアルカリプロティアーゼは痰粘液の粘りを弱めて痰を切れやすくする働きがありますが、血液凝固異常(出血傾向)の症状ある人では、医師等に相談することが望ましいとされています。

 トラネキサム酸は炎症物質の産生を抑えることで炎症の発生を抑え腫れを和らげると考えられていますが、凝固した血液が分解されにくくする働きもあるため血栓のある人等では、治療を行っている医師に相談することが望ましいと考えられます。

 グリチルリチン酸は化学構造がステロイド性抗炎症成分と類似しているところにより抗炎症作用を示すと考えられていますが、大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがあります。

口腔咽喉薬及び含嗽薬に関する次の記述について、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:ヨウ素系成分が配合された含嗽薬は、乳汁中に移行しないことが知られている。
  2. 2:ヨウ素系成分が配合された含嗽薬を使用した場合、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼすことがある。
  3. 3:用時希釈して使用する含嗽薬は濃度が高いほど、効果が大きい。
  4. 4:噴射式の液剤では咽頭の奥まで薬剤が行きわたるように、息を吸い込みながら、噴射することが望ましい。
答えを見る
答え
2
<解説> ヨウ素系殺菌消毒成分又はグルコンサンクロルヘキシジンが配合されたものでは、まれにショック、アナフィラキシー様症状のような全身性の重篤な副作用を生じることがあります。ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、結果的にヨウ素の摂取につながり、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性があります。妊娠中に摂取されたヨウ素の一部は胎盤関門を通過して胎児に移行するため、長期間大量に使用された場合には幼児にヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能障害を起こすおそれがあります。又、ヨウ素は乳汁中にも移行することが知られています。

 噴射式の液剤では息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまう恐れがあるため軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましいとされています。

 含嗽薬は用時水で希釈又は溶解して使用するものが多いですが、調整した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られません。

カフェインに関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:カフェインは腎臓での水分の再吸収を促進するとともに、膀胱括約筋を収縮させる働きがあるため尿量が減少することがある。
  2. 2:カフェインは心筋を興奮させる作用があり、動悸が現れることがあるため、心臓病の診断を受けた人では使用を避ける必要がある。
  3. 3:カフェインは胃液の分泌を亢進させる作用があり、胃腸障害が現れることがあるため、胃潰瘍の診断を受けた人では服用を避ける必要がある。
  4. 4:カフェインはかぜ薬に配合された解熱鎮痛成分の働きを助ける目的で用いられることがある。
答えを見る
答え
1
<解説> かぜ薬の中に、解熱鎮痛成分の鎮痛作用を高める効果を期待したり、中枢神経を刺激したりする目的でカフェイン等が配合される場合があります。

 カフェインは脳に軽い興奮状態を引き起こす作用を示し、眠気や倦怠感を一時的に抑える効果があります。副作用として振戦、めまい、不安、不眠、頭痛を生じることがあります。

 カフェインは腎臓での水分の再吸収を抑制するとともに、膀胱括約筋を弛緩させる働きがあり、尿量の増加(利尿)をもたらします。胃液の分泌を亢進させる作用があり、胃酸過多の症状のある人や胃潰瘍の診断を受けた人では使用を避ける必要があります。又心筋を興奮させる作用もあり、副作用として動悸が現れることがあるため、心臓病の診断を受けた人は服用を避ける必要があります。

 さらにカフェインには、作用は弱いものの、反復して摂取すると習慣になりやすい性質があり、眠気防止薬の使用に際して「短期間の服用にとどめ連用しないこと」と注意喚起がなされています。

鎮咳去痰薬に関する次の記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:塩酸トリメトキノールは交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示す。
  2. 2:マオウは延髄の咳嗽中枢に作用して、咳を抑える働きがある。
  3. 3:ノスカピンは非麻薬性鎮咳成分で、リン酸コデインのような習慣性はない。
  4. 4:ジプロフィリンは自律神経を介さず、気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ拡張させる作用がある。
答えを見る
答え
2
<解説> 咳は気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、延髄にある咳嗽中枢の働きによって引き起こされる反応です。咳はむやみに抑え込むべきではありませんが、長く続く咳は体力の消耗や睡眠不足を招くなどの悪影響があります。

 鎮咳去他薬には延髄の咳嗽中枢に作用して咳を鎮めるリン酸コデイン、ノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン等があります。リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインは依存性があり、麻薬性鎮咳成分ですが、ノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン等は非麻薬性鎮咳成分です。

 塩酸メチルエフェドリン、塩酸トリメトキノール、塩酸メトキシフェナミン等のアドレナリン作動成分やマオウは交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用のほか、交感神経系への刺激作用によって心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすくなります。

 ジプロフィリンは気管支平滑筋に直接作用して弛緩させ気管支を拡張させるキサンチン系の成分です。キサンチン系成分は心臓刺激作用を示し、副作用として動悸が現れることがあります。また、中枢神経系を興奮させるため甲状腺機能障害やてんかんの診断を受けた人では注意が必要です。

コレステロールに関する記述について、(   )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを選びなさい。

 コレステロールの産生及び代謝は主として( a )で行われる。又、コレステロールは血液中では血漿蛋白質と結合したリポ蛋白質となって存在する。リポ蛋白質は比重によっていくつかの種類に分類されるが、そのうち( b )はコレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポ蛋白質である。一方( c )は末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶリポ蛋白質である。

  1. 1:(a)胆嚢, (b)低密度リポ蛋白質, (c)高密度リポ蛋白質
  2. 2:(a)肝臓, (b)低密度リポ蛋白質, (c)高密度リポ蛋白質
  3. 3:(a)胆嚢, (b)高密度リポ蛋白質, (c)低密度リポ蛋白質
  4. 4:(a)肝臓, (b)高密度リポ蛋白質, (c)低密度リポ蛋白質
答えを見る
答え
2
<解説> コレステロールは細胞の構成成分で、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質で、産生及び代謝は主として、肝臓で行われています。

 コレステロールは水に溶けにくい物質であるため、血液中では血漿蛋白質と結合したリポ蛋白質となって存在しています。低密度リポ蛋白質(LDL)はコレステロールを肝臓から末梢組織へ、高密度リポ蛋白質(HDL)は末梢組織から肝臓へと運び、2種類のリポ蛋白質によって、肝臓と末梢組織の間をコレステロールが行き来していますが、LDLが多く,HDLが少ないと、コレステロールの運搬が末梢組織側に偏ってその蓄積を招き心臓病や肥満、動脈硬化等の生活習慣病につながる危険性が高くなります。

 LDLが140㎎/dl以上、HDLが40㎎/dl以下、中性脂肪が150㎎/dl以上のいずれかである状態を高脂血症(脂質異常症)といいます。

次の記述に適合する漢方処方製剤を一つ選びなさい。

 めまい、ふらつきがあり、又は動悸があり尿量が減少する人における、神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛に適すとされる。強心作用が期待される生薬は含まれず、主に尿量増加(利尿)作用により、水毒の排出を促すことを目的とする。

  1. 1:麦門冬湯
  2. 2:苓桂朮甘湯
  3. 3:防風通聖散
  4. 4:八味地黄丸
答えを見る
答え
2
<解説> 麦門冬湯は痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支喘息などに用いられます。防風通聖散は高血圧の随伴症状(動悸、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘(腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの諸症)に、また八味地黄丸は腎炎、糖尿病、坐骨神経痛、腰痛、前立腺肥大、高血圧など(疲労、倦怠感著しく、尿利減少又は頻数、口渇し手足に交互的に冷感と熱感のあるものの諸症)に用いられています。

 苓桂朮甘湯は神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛で尿量減少がある諸症に用いられています。

 麦門冬湯、苓桂朮甘湯、防風通聖散は構成生薬にカンゾウを含むため、グリチルリチン製剤と併用すると、その重複作用により、偽アルドステロン症やミオパシーを生じやすく注意が必要です。

貧血及び貧血用薬(鉄製剤)に関する次の記述のうち誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:鉄分は赤血球が酸素を運搬するヘモグロビンの産生に不可欠なミネラルである。
  2. 2:鉄剤を服用すると、副作用の消化管出血のために便が黒くなることがある。
  3. 3:銅はヘモグロビンの産生過程で鉄の代謝や輸送に重要な役割をもつ。
  4. 4:マンガンは糖質・脂質・蛋白質の代謝をする際に働く酵素の構成物質である。
答えを見る
答え
2
<解説> 貧血はその原因によりビタミン欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血等に分類されます。一般的な症状として、疲労、動悸、息切れ、血色不良、頭痛、耳鳴り、めまい、微熱、皮膚や粘膜の蒼白、下半身のむくみ等があります。

 貧血用薬(鉄製剤)は、鉄欠乏性貧血に対して不足している鉄分を補充し、造血機能の回復を図ります。

 鉄分の摂取不足を生じても、初期には貯蔵鉄や血清鉄が減少するのみでヘモグロビン量自体は変化せず、直ちに貧血の症状は現れませんが、持続的に鉄が欠乏するとヘモグロビンが減少して貧血症状が現れます。
鉄欠乏状態を生じる要因としては鉄分の摂取不足及び消化管からの吸収障害、消化管出血等が挙げられます。また著しい年長乳児や幼児、月経血損失のある女性、鉄要求量の増加する妊婦・母乳を与える女性では鉄欠乏状態を生じやすくなります。

ユビデカレノンに関する次の記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、肝臓や心臓などの臓器に多く存在する。
  2. 2:心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって、血液循環の改善効果を示す。
  3. 3:ユビデカレノンは食品として流通することはできない。
  4. 4:軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し超えたときに起こる動悸、息切れ、むくみの症状に用いられる。
答えを見る
答え
3
<解説> ユビデカレノンは別名コエンザイムQ10とも呼ばれ、肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンB群とともに働きます。

 心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされ、軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し超えたときに起こる動悸、息切れ、むくみの症状に用いられます。ただし、2週間位使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の病気が原因である可能性もあり、漫然と使用を続けることは適切ではありません。 副作用として胃部不快感、食欲減退、吐き気、下痢、発疹・痒みが現れることがありますが、動悸、息切れ、むくみの症状は高血圧症、呼吸器疾患、腎臓病、甲状腺機能の異常、貧血等が原因となっておこることもあり、これらの基礎疾患がある人では、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師等に相談するようにします。

鼻炎用点鼻薬及びその配合成分に関する記述のうち誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:塩酸テトラヒドロゾリンは鼻粘膜を通っている血管を拡張させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられている。
  2. 2:クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示す。
  3. 3:蓄膿症などの慢性のものは、一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対象ではない。
  4. 4:かぜ症候群に伴う鼻炎症状が続くことで、副鼻腔炎や中耳炎につながることがある。
答えを見る
答え
1
<解説> 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬は急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻水、くしゃみ、頭重の緩和を目的として、鼻腔内に適用される外用液剤です。鼻炎用内服薬との主な違いは、鼻粘膜の充血を和らげる成分(アドレナリン作動成分)が主体となっており、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を組み合わせて配合されていても鼻腔内における局所的な作用を目的としています。

 交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトロヒドロゾリン等のアドレナリン作動成分が用いられています。これらのアドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなることがあります。

arrow_drop_up