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対策問題集

対策問題集

第36回:
“主な医薬品とその作用 Part5-(2)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

次の症状に用いられる漢方処方製剤として最も適切なものを一つ選びなさい。

痩せ型で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐き気などを伴う人における、神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニーに適するとされる。

  1. 1:人参湯
  2. 2:平胃散
  3. 3:六君子湯
  4. 4:安中散
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答え
4
<解説> 胃の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤としては、安中散、人参湯、平胃散、六君子湯等があります。これらはいずれもカンゾウを含んでいます。
 人参湯は手足などが冷えやすく、尿量が多い人における、胃腸虚弱、胃アトニー、胃痛、下痢、嘔吐に適すとされます。下痢又は嘔吐に用いる場合には漫然と長期の使用は避け、一週間位使用しても症状の改善がみられない時は、いったん使用を中止して専門家に相談することとされています。
 平胃散は胃がもたれて消化不良の傾向がある人における、急性・慢性胃カタル、胃アトニー、消化不良、食欲不振に適すとされています。急性胃カタルに用いる場合には、漫然と長期の使用は避け、5~6回使用しても症状の改善がみられない時はいったん使用を中止して専門家に相談することが望ましいとされています。
 六君子湯は胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすい人における、胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐に適すとされています。

消化器官用に含まれる成分に関する次の記述について、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:塩酸ピレンゼピンは消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示す。
  2. 2:スクラルファートは体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから、血栓を起こすおそれのある人では、生じた血栓が分解されにくくなることがある。
  3. 3:アルジオキサは重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。
  4. 4:ソファルコンはアルミニウムを含む成分であるため、透析を受けている人では使用を避ける必要がある。
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答え
1
<解説> 胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す等の作用を期待してアズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、スクラルファート、ソファルコン、テプレノン、塩酸セトラキサート等が配合されている場合があります。これらのうちアルジオキサ(アラントインと水酸化アルミニウムの複合体)、スクラルファートはアルミニウムを含む成分であるため、透析を受けている人では使用を避ける必要があります。ソファルコン、テプレノンについてはまれに肝機能障害を生じることがあります。塩酸セトラキサートは体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから、血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人では生じた血栓が分解されにくくなることがあるため、使用の適否につき、医師等に相談することが望ましいとされています。

消化器官用薬に含まれる成分に関する次の記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:ビサコジルは大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すと考えられている。
  2. 2:ヒマシ油は小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらす。
  3. 3:瀉下薬に使用される酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムは、そのほとんどが小腸から吸収され、大腸の水分吸収を抑えることにより、瀉下作用を現すと考えられている。
  4. 4:マルツエキスは主成分である麦芽糖が腸内細菌によって分解して生じるガスによって便通を促すとされている。
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答え
3
<解説> 酸化マグネシウムや硫酸マグネシウム等の無機塩類は腸内容物の浸透圧を高めることで、糞便中の水分量を増し、大腸を刺激して排便を促します。
 小腸刺激性瀉下成分の中にはヒマシ油が、大腸刺激性瀉下成分にはセンナ、ダイオウ、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム等があります。センノシドに類似の物質を含むアロエや、ジュウヤク、ケンゴシ等の生薬成分も大腸刺激による瀉下作用を期待して用いられています。特にビサコジルは大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促し、結腸での水分の吸収を抑えて、糞便のかさを増大させる働きもあるとされています。
 腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに、糞便を柔らかくする膨潤性瀉下成分として、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムがあります。マルツエキスは主成分である麦芽糖の腸内細菌によって分解(発酵)して生じるガスによって便通を促しますが、瀉下作用としては比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられています。

次の医薬品成分のうち、利胆作用をもち、消化を助ける効果を期待して用いられるものを選びなさい。

  1. 1:プロザイム
  2. 2:デヒドロコール酸
  3. 3:マレイン酸トリメブチン
  4. 4:タンニン酸アルブミン
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答え
2
<解説> 炭水化物、脂質、蛋白質、繊維質等の分解に働く酵素を補うことを目的として、ジアスターゼ、プロザイム、ニューラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ又はその複合酵素(ビオジアスターゼ、タカジアスターゼ)等が用いられることがあります。
 胆汁末や動物胆(ユウタンを含む)、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられています。これらの成分は肝臓の働きを高める作用もあるとされますが、肝臓病の診断を受けた人ではかえって症状を悪化させるおそれがあり、医師に相談することが望ましいと思われます。またウルソデオキシコール酸は胎児毒性の可能性があるため妊婦等には使用を避けることが望ましいとされています。

次の痔疾用薬についての記述で、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:アミノ安息香酸エチルは痔に伴う痛み・痒みを和らげることを目的として用いられる。
  2. 2:酢酸ヒドロコルチゾンは痔による肛門部の創部の治癒を促す効果を期待して用いられる。
  3. 3:塩酸ナファゾリンは血管収縮作用による止血効果を期待して用いられる。
  4. 4:酸化亜鉛は粘膜表面に不溶性の膜を形成することで、粘膜の保護・止血を目的として用いられることがある。
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答え
2
<解説> 外用痔疾用薬では、局所麻酔成分のリドカイン、塩酸リドカイン、アミノ安息香酸エチル、又は塩酸ジブカイン、塩酸プロカインが患部周辺の知覚神経に作用して刺激の伝達を可逆的に遮断する作用を示します。また鎮痒成分として塩酸ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン成分、抗炎症成分として酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン等のステロイド性抗炎症成分、比較的緩和な抗炎症作用を示すグリチルレチン酸や塩化リゾチーム、組織修復成分としてアラントインやアルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート、止血成分として、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ナファゾリン等のアドレナリン作動成分が配合されています。
 他に粘膜の保護・止血を目的とした、タンニン酸、酸化亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、卵黄油等が配合されている場合、殺菌消毒成分として塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム等が使用されていることがあります。

点眼薬に含まれる成分とその配合目的に関する次の組み合わせで誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:メチル硫酸ネオスチグミン:目の調節機能を改善する。
  2. 2:イプシロンーアミノカプロン酸:炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す。
  3. 3:クロモグリク酸ナトリウム:目のアレルギー症状の緩和。
  4. 4:コンドロイチン硫酸ナトリウム:結膜や角膜の乾燥を防ぐ。
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答え
2
<解説> 一般用医薬品の点眼薬は、その主たる配合成分から、人工涙液、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、アレルギー用点眼薬に大別されます。人工涙液は涙液成分を補う目的で、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられます。一般点眼薬は目の疲れや痒み、結膜充血等の症状を抑える成分が配合されています。アレルギー用点眼薬は、花粉、ハウスダスト等のアレルゲンによる目のアレルギー症状の緩和を目的とし、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が配合されています。抗菌性点眼薬はスルファメトキサゾールなどの抗菌成分が配合され、結膜炎やものもらい、眼瞼炎等に用いられます。
 メチル硫酸ネオスチグミンはコリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで目の調節機能を改善する効果があります。
 イプシロンーアミノカプロン酸は炎症物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられます。炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す成分としては、アズレンスルホン酸ナトリウムやアラントイン、目の渇きを改善するヒドロキシプロピルメチルセルロース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、抗ヒスタミン成分としては塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンが配合されています。

殺菌消毒薬とその成分に関する次の記述について正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:セトリミドは石鹸との混合によって殺菌効果が下がる。
  2. 2:ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると高まる。
  3. 3:マーキュロクロムは有機水銀の一種であるため販売が中止された。
  4. 4:レゾルシンは角質層を硬化させる作用がある。
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答え
1
<解説> 塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムと同種の成分として、セトリミドがあります。これらは石鹸との混合によって殺菌消毒効果が低下するので、石鹸で洗浄した後に使用する場合には、石鹸を十分に洗い流す必要があります。
 ヨウ素系殺菌消毒成分はヨウ素による酸化作用によって、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して効果を示します。ヨウ素の酸化力はアルカリ性になると低下するため、石鹸等と併用する場合には、よく洗い落としてから使用することが大切です。
 マーキュロクロムは有機水銀の一種ですが、皮膚浸透性が低く、通常の使用において水銀中毒を生じることはありませんが、口の周りや、口がふれる部位への使用は避ける必要があります。ヨードチンキと混合すると不溶性の沈殿を生じて殺菌作用が低下するため、ヨードチンキと同時に使用しないこととされています。
 レゾルシンは細菌や真菌類の蛋白質を変性させることにより殺菌消毒効果を示しますが、角質を軟化させる作用もあり、にきび用薬や水虫・たむし用薬などに配合されていることがあります。

外皮用薬の配合成分に関する次の記述の中で、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:ホモスルファミンは細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
  2. 2:クロラムフェニコールは細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
  3. 3:硫酸フラジオマイシンは細菌の蛋白質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
  4. 4:塩酸アモロルフィンは皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。
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答え
2
<解説> ニキビ、吹き出物はもっとも一般的に生じる可能性皮膚疾患です。発生要因としては①ストレス、食生活の乱れ、睡眠不足等によって肌の新陳代謝機能が低下し、毛穴の皮脂や古い角質が溜まる。②老廃物が詰まった毛穴の中で皮膚常在菌であるニキビ桿菌(アクネ菌)が繁殖する。③ニキビ桿菌が皮脂を分解して生じる遊離脂肪酸によって毛包周囲に炎症を生じ、さらに他の細菌の感染を誘発して膿疱や膿腫ができる。これらがひどくなると色素沈着を起こして赤くシミが残ったりクレーター状の瘢痕が残ったりします。
 ニキビに用いる代表的な抗菌成分の中に、最近のDNA合成を阻害するサルファ剤(スルフィソミジン、ホモスルファミン、スルフィソキサゾール等)、細菌の細胞壁合成を阻害するバシトラシン、細菌のたんぱく質合成を阻害する硫酸フラジオマイシン、クロラムフェニコール等があります。
 又水虫・たむし等に用いられるのは抗真菌成分で、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることで増殖を抑えるイミダゾール系抗真菌成分、細胞膜構成成分産生を妨げる塩酸アモロルフィン、塩酸ブテナフィン、患部を酸性にすることで菌の発育を抑えるウンデシレン酸等があります。

ニコチンを含有する咀嚼剤に関する次の記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が上昇するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用を避けることとされている。
  2. 2:禁煙補助剤は、喫煙を完全に止めたうえ使用することとされている。
  3. 3:インスリン製剤を使用している人では、ニコチンが血糖降下作用に拮抗して、効果を妨げるおそれがある。
  4. 4:ニコチンは交感神経を興奮させる作用があり、アドレナリン作動成分が配合された医薬品と併用することにより、その作用を増強させるおそれがある。
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答え
1
<解説> 口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーや炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用をさけることとされています。ニコチンは交感神経を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用によりその作用を増強させる恐れがあります。
 禁煙補助剤は喫煙を完全に止めたうえで使用することとされていて、特に使用中又は使用直後の喫煙は血中ニコチン濃度が高まるおそれがあり、避ける必要があります。
 心臓疾患、脳血管障害、バージャー病(末梢血管障害)、高血圧、甲状腺機能障害、褐色細胞腫、糖尿病(インスリン製剤を使用している人、なぜならニコチンがインスリンの血糖降下作用に拮抗して効果を下げるおそれがあるから。)、咽頭炎、食道炎、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病又は腎臓病の診断を受けた人では、使用する前に治療を行っている医師等に相談することが望ましい。

次の記述にあてはまる生薬はどれか。

サルノコシカケ科のマツホドの菌核を用いた生薬で、利尿、健胃、鎮静等の作用を期待して用いられる。

  1. 1:ブシ
  2. 2:ボウフウ
  3. 3:ブクリョウ
  4. 4:サンザシ
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答え
3
<解説> ブシはキンポウゲ科のハナトリカブトの塊根で、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持ちます。血液循環が高まることによる利尿作用を示します。その他鎮痛作用もありますが、プロスタグランジンを抑えないことから、胃腸障害等の副作用はありません。
 ボウフウはセリ科のボウフウの根及び根茎を用いた生薬で、発汗、解熱、鎮痛、鎮痙等の作用を期待して用いられる。
 サンザシはバラ科のサンザシ又はオオサンザシの偽果を用いた生薬で、健胃・消化促進等の作用を期待して用いられます。ちなみにセイヨウサンザシの葉は血行促進、強心等の作用を期待して用いられています。

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