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対策問題集

対策問題集

第35回:
“主な医薬品とその作用 Part5-(1)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

かぜとかぜ薬(総合感冒薬)に関する次の記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:かぜの症状には、くしゃみ、鼻汁・鼻閉(鼻づまり)、咽頭痛、咳、痰等の呼吸器症状が必ず伴う。
  2. 2:かぜとよく似た症状が現れる疾患は多数あるが、急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき又は悪化するようなときは、かぜではない可能性が高い。
  3. 3:かぜ薬とは、ウイルスの増殖を抑えたり、体内から取り除いたりするものではなく、諸症状の緩和を目的としたものである。
  4. 4:かぜであるからといって必ずしも、かぜ薬が選択されることは最適とは言えない。
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答え
1
<解説> かぜの症状はくしゃみ、鼻汁・鼻閉(鼻づまり)、咽頭痛、咳、痰等の呼吸器症状、発熱、頭痛、全身倦怠感等の全身症状が様々に組み合わさって現れます。かぜは単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群と呼ばれ、主にウイルスが鼻や喉などに感染しておこる様々な症状の総称です。通常は数日から1週間程度で自然寛解します。
 かぜとよく似た症状が現れる疾患は喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、肺結核、肺炎、髄膜炎、急性肝炎等多数あり、急激な発熱を伴う場合や症状が4日以上続くとき又は悪化するようなときはかぜではない可能性があります。
 なお、かぜであるからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)が選択されるのが最適ではなく、発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には効果的に症状の緩和を図るため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬等のうちから、症状に合ったものを選択して使用します。

妊娠及び妊娠検査薬に関する記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:一般用医薬品の妊娠検査薬は血液中のhCGの有無を調べるものである。
  2. 2:一般的な妊娠検査薬は月経予定日の1週間前の検査が推奨されている。
  3. 3:妊娠が成立すると胎児を取り巻く絨毛細胞からヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)が分泌され始める。
  4. 4:検査薬は高温になる場所に放置されていると設計通りの検出感度を発揮できなくなるため、冷蔵庫に保管するとよい。
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答え
3
<解説> 妊娠が成立すると胎児(受精卵)を取り巻く絨毛細胞からヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)が分泌され始め、やがて尿中にhCGが検出されるようになります。妊娠検査薬は尿中のhCGの有無を調べるもので、通常、妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としています。
 一般的な妊娠検査薬は月経予定日を過ぎて、おおむね1週目以降の検査が推奨されています。検体としては、尿中hCGが検出されやすい早朝尿(起床直後の尿)が向いています。
 尿中hCGの検出反応はhCGと特異的に反応する抗体や酵素を用いた反応であるため、温度の影響を受けることがあります。検査薬が高温になる場所に放置されたり、冷蔵庫内に保管されていたりすると、設計通りの検出感度が発揮できなくなる恐れがあります。

かぜの症状の緩和に用いられる漢方処方製剤に関する記述について(  )の中に入れる漢方製剤を選びなさい。

(  )はかぜのひき初めから数日たって、症状が少し長引いている状態で、疲労感があり、食欲不振、吐き気がする場合に適すとされる。

  1. 葛根湯
  2. 小柴胡湯
  3. 小青竜湯
  4. 麻黄湯
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答え
2
<解説> 葛根湯はかぜのひき始めにおける諸症状、頭痛、肩こり、筋肉痛、手足や方の痛みに適すとされています。
 小青竜湯はくしゃみや鼻汁・鼻閉(鼻づまり)等の鼻炎症状、薄い水様の痰を伴う咳、気管支炎、気管支喘息等の呼吸器症状に適すとされています。
 麻黄湯はかぜのひき始めで、寒気がして、発熱、頭痛があり、身体の節々が痛い場合に適すとされています。
 小柴胡湯はかぜのひき始めから数日たって症状が少し長引いている状態で、疲労感があり食欲不振、吐き気がする場合に適すとされ、また、胃腸虚弱、胃炎のような消化器症状にも用いられますが、身体の虚弱な人には不向きとされています。まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じること、膀胱炎用症状(頻尿、排尿痛、血尿、残尿感)が現れることもあります。又インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要があります。

解熱鎮痛成分に関する次の記述について、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:アセトアミノフェンは定められた用量を超えて使用した場合や、日頃から酒類(アルコール)をよく摂取する人では、肝機能障害を起こしやすい。
  2. 2:アセトアミノフェンは中枢性の作用によって解熱・鎮痛をもたらすが、抗炎症作用は期待できない。
  3. 3:アスピリンやサザピリンはピリン系の解熱鎮痛成分であり、ピリン疹と呼ばれるアレルギー症状をもたらすことがある。
  4. 4:アスピリンはライ症候群との関連性が示唆されている為一般用医薬品では15歳未満の小児に対してはいかなる場合も使用しないこととなっている。
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答え
3
<解説> アセトアミノフェンは主として中枢性の作用によって解熱・鎮痛をもたらすと考えられています。抗炎症作用が期待できませんが、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は比較的少ないとされ、空腹時に服用できる製品もあります。まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがあり、特に定められた用量を超えて使用した場合や、日頃から酒類をよく摂取する人は、肝機能障害を起こしやすいと考えられています。
 現在ピリン系の解熱鎮痛成分として市販されているのは、イソプロピルアンチピリンのみです。アスピリンはサザピリン、エテンザミド、サリチルアミドと同じサリチル酸系解熱鎮痛成分です。アスピリンは他の解熱鎮痛成分に比べて胃腸障害が起こりやすいとされ、アスピリンアルミニウムとして胃粘膜への刺激を減弱させる等して、胃腸への影響の軽減を図っている製品もあります。
 サリチル酸系解熱鎮痛成分においては、ライ症候群の発生との関連性が示唆されている為、一般用医薬品では、小児(15歳未満)に対してはいかなる場合も使用しないこと、又エテンザミド、サリチルアミドについては15歳未満の小児で水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要があります。

抗コリン成分に関する次の記述の中で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:抗コリン成分は交感神経系を抑える働きを持つ。
  2. 2:目のかすみ、異常なまぶしさが現れることがある。
  3. 3:眼圧を上昇させるので緑内障を悪化させるおそれがある。
  4. 4:心臓に負担をかけるので、心臓病の症状を悪化させるおそれがある。
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答え
1
<解説> 急な胃腸の痛みは主として、胃腸の過剰な動き(痙攣)によって生じます。消化管の運動は副交感神経系の刺激によって亢進し、また副交感神経系は胃液分泌の亢進にも働きます。抗コリン剤は副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げることで、胃痛、腹痛などを鎮め、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待して用いられています。
 抗コリン成分には臭化メチルベナクチジウム、臭化ブチルスコポラミン、臭化メチルオクタトロピン、臭化水素酸スコポラミン等があります。
これらの成分の副交感神経系の働きを抑える作用は、散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、排尿困難等を起こすことがあります。
 排尿困難がある人、心臓病又は緑内障の診断を受けた人では症状の悪化を招く恐れがあり、医師に相談することが望ましいと考えられます。

次の漢方処方製剤についての記述で、最もあてはまる製剤を一つ選びなさい。

気分がふさいで、咽喉・食道部につかえ感があり、ときに動悸、めまい、嘔気等を伴う人における、咳、しわがれ声、不安神経症、神経性胃炎に適すとされる。

  1. 柴苓湯
  2. 麦門冬湯
  3. 半夏厚朴湯
  4. 甘草湯
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答え
3
<解説> 甘草湯のほか、咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤としては半夏厚朴湯、柴朴湯、麦門冬湯、五虎湯、麻杏甘石湯、神秘湯等があります。これらのうち半夏厚朴湯を除くいずれも、構成生薬としてカンゾウを含みます。
 柴苓湯は夏やせ、夏負け・暑気あたりに用いられる製剤です。冷たいものを取りすぎて下痢し、発熱を伴うときによく用います。
 麦門冬湯は痰の切れにくい咳(喉の乾燥感)、気管支炎、気管支喘息の症状に適すとされていますが、水様痰の多い人には不向きとされています。
 甘草湯は構成生薬がカンゾウのみからなる漢方処方製剤で、激しい咳や咽頭痛の緩解に用いられます。

心臓の働き及び強心薬とその成分に関する次の記述について、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:強心薬については一般に5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の要因も考えられる。
  2. 2:体の不調による動悸は、心臓の働きが低下し、十分な血液を送り出せなくなり、脈拍数が減少することによって、起こる。
  3. 3:センソは微量で強い強心作用を示し、皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示す。
  4. 4:ゴオウは強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める作用がある。
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答え
2
<解説> 心臓は血液を全身に循環させるポンプの働きを担っていますが、通常自律神経系によって無意識のうちに調整がなされており、激しい運動をしたり、興奮したとき等の動悸や息切れは正常な健康状態でも現れることがあります。
 体の不調による動悸・息切れは、日常生活の身体活動や平静にしているときに起こるもので、心臓の働きが低下して十分な血液を送り出せなくなり、脈拍数を増やすことによって、その不足を補おうとして動悸(心臓の拍動が強く又は速くなり、脈が乱れ、それが不快に感じられる。)が起きます。また心臓から十分な血液が送り出されないと酸素供給が低下するため呼吸運動によって取り込む空気の量を増やすことでそれを補おうとして息切れ(息をすると胸苦しさや不快感があり、意識的な呼吸運動を必要とする。)が起きます。これらは、睡眠不足や疲労による心臓の働きの低下のほか、不安やストレス等の精神的な要因、また、女性では貧血や更年期に生じるホルモンバランスの乱れなどによっても起こることがあります。

高コレステロール改善薬に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:ソイステロールには、末梢組織におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
  2. 2:ポリエンホスファチジルコリンはコレステロールと結合して肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。
  3. 3:パンテチンはHDLの分解を促し,LDLが形成される過程に働いて,LDLを増加させる効果を期待して用いられる。
  4. 4:ビタミンEはコレステロールから過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用がある。
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答え
3
<解説> 高コレステロール改善成分には、大豆油不鹸化物(ソイステロール)、リノール酸を含む植物油、ポリエンホスファチジルコリン(大豆から抽出・精製したレシチンの一種)、パンテチン等が用いられます。いずれも脂溶性物質であるため悪心(吐き気)、胃部不快感、胸やけ、下痢等の消化器系の副作用が現れることがあります。
 大豆油不鹸化物には末梢組織におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあり、リノール酸やポリエンホスファチジルコリンは、コレステロールと結合して代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられます。
 パンテチンは肝臓におけるコレステロールの代謝を正常化する働きがあるとされ、LDLの分解を促し、また、HDLが形成される過程に働いて、HDLを増加させる効果を期待して用いられます。

女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いる漢方処方製剤として適切なものを一つ選びなさい。

  1. 五虎湯
  2. 五積散
  3. 五苓散
  4. 五淋散
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答え
2
<解説> 女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる主な漢方処方製剤として、温経湯、温清飲、加味逍遥散、桂枝茯苓丸、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、四物湯、桃核承気湯、当帰芍薬散等があります。これらのうち、温経湯、加味逍遥散、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、桃核承気湯はカンゾウを含んでいます。
 五虎湯は通常の急性の咳に対する製剤で、麻杏甘石湯に消炎鎮咳作用のソウハクヒが加わったもので、医療用では小児にも使用されます。五苓散は口渇があり、尿量が少なく、むくみやすい人に用いられます。五淋散は排尿困難で、排尿痛を来すものに広く適用されています。尿道炎、膀胱炎、尿路結石、前立腺肥大症などにも用いられます。
 五積散は慢性に経過し、症状の激しくない胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え症、更年期障害、感冒に適すとされますが、虚弱体質の人、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では不向きとされています。

アレルギーに関する次の記述について、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:アレルゲン(抗原)が体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリンによって肥満細胞が刺激され、ヒスタミンやプロスタグランジン等の生理活性物質が遊離する。
  2. 2:細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定の蛋白質(受容体)と反応することで、血管収縮作用を示す。
  3. 3:アレルギー症状を予防するためには症状が現れる前から、一般用医薬品のアレルギー用薬を服用しておくことが大切である。
  4. 4:ヒスタミン類似物質(ヒスタミン様物質)が食品の中に生成されることはない。
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答え
1
<解説> アレルギーを起こさせるアレルゲンは人によって異なり、複数の物質がアレルゲンとなることもあります。主なものとしては、小麦、卵、乳、そば、落花生等の食品、ハウスダスト、家庭用品に含有する化学物質や金属等が知られています。
 アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリンによって肥満細胞が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質であるヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離します。肥満細胞から遊離したヒスタミンは周囲の器官や組織の表面に分布する特定の蛋白質と反応することで血管拡張、血管透過性亢進(血漿タンパク質が組織中に漏出する)等の作用を示します。また、食品(特に、サバなどの生魚)が傷むとヒスタミンに類似した物質が生成することがあり、そうした食品を摂取することによって、蕁麻疹ができることもあります。

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