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対策問題集

対策問題集

第11回:
“主な医薬品とその作用 Part2-(1)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

『かぜのひき始めで寒気がして発熱、頭痛があり、体のふしぶしが痛い場合に適すとされるが、体の虚弱な人は使用を避ける必要がある』とされるかぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤を選びなさい。

  1. 1:小青竜湯
  2. 2:半夏厚朴湯
  3. 3:香蘇散
  4. 4:柴胡桂枝湯
  5. 5:麻黄湯
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答え
5
<解説> かぜのひき始めやインフルエンザ様疾患の初期に用いられる漢方処方に、葛根湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯、麻黄湯、香蘇散があります。

半夏厚朴湯は喉に何か引っかかっているようで、それを喀出しようとして思わず出るような咳に適用がある。患者の神経過敏さや声が嗄れていることも目標となり、腹力によらず適用されます。

葛根湯は かぜにもっとも使用されているが、麻黄湯とは関節痛の程度が軽度か、伴わない点では咳嗽、水様の喀痰、水様の鼻汁、悪寒などがあるかぜの初期に適用される。顔色が青白く、日頃冷えを覚えやすい人に適しています。

麻黄湯は関節痛、悪寒症状が強く、葛根湯と比べると、身体疼痛、なかでも関節痛を強く訴える人に適しています。

香蘇散は胃腸虚弱な人や高齢者の初期のかぜに適しています。

柴胡桂枝湯はかぜが2,3日してもなお改善せず、倦怠を覚える場合に用います。

催眠鎮静薬とその成分に関する記述のうち、正しいものを選びなさい。

  1. 1:ブロムワレリル尿素は、脳の興奮を抑え、痛みを感じる感覚を鈍くする作用を示すことから、鎮痛薬に配合されることはない。
  2. 2:アルコールは睡眠の質を低下させ、催眠鎮静薬の効果を妨げる。
  3. 3:ブロムワレリル尿素を含む催眠鎮静薬は、妊婦の睡眠障害に適している。
  4. 4:ブロムワレリル尿素による薬物依存を生じても離脱は容易である。
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答え
2
<解説> 一般的にはっきりした病気が原因でなくても、日常生活における人間関係のストレスや生活環境の変化等の様々な要因によって、自律神経系のバランスが乱れ、寝つきが悪い、眠りが浅い、イライラ感、緊張感、精神不安といった症状を生じることがあります。また、それらの症状のため十分な休息が取れず、疲労倦怠感、寝不足感、頭重等の症状を伴う場合もあります。催眠鎮静薬はそうした症状を生じたとき、眠気を促したり、精神の昂ぶりを鎮めるために使用されます。

 代表的な配合成分に、抗ヒスタミン成分、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素があげられますが、乗り物又は機械類の運転操作を避ける必要があることは言うまでもなく、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素は依存性がある成分であり反復して使用することは避けましょう。又ブロムワレリル尿素には胎児障害の可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けることが望ましいと考えられます。

鎮咳去痰成分に関する記述について、正しいものを選びなさい。

  1. 1:延髄の咳嗽中枢に作用し、咳を抑える成分として塩酸メチルエフェドリンがある。
  2. 2:ノスカピンは、モルヒネと同じ基本構造をもち麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。
  3. 3:リン酸コデインは胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られている。
  4. 4:気道粘膜からの分泌を促進させる作用を示す去痰成分として、塩酸エチルシステインがある。
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答え
3
<解説> 鎮咳去痰成分としては、中枢神経系に作用して咳を抑える成分であるリン酸コデイン、ノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロペラスチン等があります。これらのうち、リン酸コデインについては、モルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性がある成分であり、麻薬性鎮咳成分と呼ばれています。長期連用や大量摂取によって倦怠感や虚脱感、多幸感等が現れることがあり薬物依存につながるおそれがあります。又、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインは妊婦の胎盤関門を通過して胎児へ移行することや、胃腸の運動を低下させる作用を示し、副作用として便秘が現れることもあります。これに対してノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロペラスチン等は非麻薬鎮咳成分と呼ばれています。

 塩酸メチルエフェドリン、塩酸トリメトキノール等は交感神経を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳やぜんそくの症状を鎮めます。ジプロフィリンは自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる成分です。

バラ科のアンズの種子を用いた生薬で、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる作用を持つ生薬成分を選びなさい。

  1. 1:ゴミシ
  2. 2:シャゼンソウ
  3. 3:セネガ
  4. 4:キョウニン
  5. 5:セキサン
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答え
4
<解説> 生薬成分は比較的穏やかな鎮咳去痰作用を示し、中枢性鎮咳成分、気管支拡張成分、去痰成分又は抗炎症成分の働きを助けることを期待して用いられます。  キョウニンはバラ科のアンズの種子を用いた生薬で、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる作用があります。ゴミシはマツブサ科のチョウセインゴミシの果実を用いた生薬で鎮咳作用を期待して用いられます。シャゼンソウはオオバコの花期の全草を用いた生薬、セネガはヒメハギ科のセネガ等を用いた生薬、セキサンはヒガンバナ科のヒガンバナの鱗茎を用いた生薬で、いずれも、去痰作用を期待して用いられています。

 他に、メギ科のナンテンの果実を用いたナンテンジツは知覚神経・末梢運動神経に作用して咳止めに、キキョウ科のキキョウは痰又は痰を伴う咳に、ヒメハギ科のイトヒメハギの根を用いたオンジは去痰作用を期待して、ユリ科のジャノヒゲ等の根の膨大部を用いたバクモンドウは鎮咳、去痰、滋養強壮等の作用を期待して用いられています。

しわがれ声又は咽喉の不快に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる漢方処方製剤を選びなさい。

  1. 1:桔梗湯
  2. 2:駆風解毒散
  3. 3:白虎加人参湯
  4. 4:響声破笛丸
  5. 5:柴朴湯
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答え
4
<解説> 柴朴湯は別名小柴胡合半夏厚朴湯ともいい、気分がふさいで、咽喉・食道部につかえ感があり、ときに動悸、めまい、吐き気などを伴う人における小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症に適すとされるが体の虚弱な人には不向きとされています。

 主として喉の痛み等を鎮めることを目的とし、咳や痰に対する効果を標榜しない漢方処方製剤として、桔梗湯、駆風解毒散・駆風解毒湯、白虎加人参湯、響声破笛丸等があります。桔梗湯、駆風解毒散・駆風解毒湯は扁桃炎や扁桃周囲炎で咽喉が腫れていたむ場合に適すとされていますが、身体の虚弱な人(体力の衰えている人、身体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすく不向きとされています。

 白虎加人参湯は喉の渇きとほてりのある人に適しますが、身体の虚弱な人、胃腸虚弱で冷え性の人では不向きとされています。

 響声破笛丸はしわがれ声や咽喉の不快に適すとされていますが、胃腸が弱く下痢しやすい人では食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすく不向きとされています。

制酸成分についての記述で誤っているものを選びなさい。

  1. 1:水酸化アルミニウムゲルは酸度の高い食品と一緒に摂取することは適切ではない。
  2. 2:制酸成分はかぜ薬や解熱鎮痛薬でも配合されることが多い。
  3. 3:合成ヒドロダルサイトはアルミニウムとカルシウムの両方を含む。
  4. 4:カルシウム、アルミニウムは止瀉薬に配合されることがある。
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答え
3
<解説> 制酸成分は中和反応によって、胃酸の働きを弱めることを目的として1)炭酸水素ナトリウム、2)乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウムモノアセテート等のアルミニウムを含む成分、3)ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等のマグネシウムを含む成分、4)合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等のアルミニウムとマグネシウムの両方を含む成分、5)沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等のカルシウムを含む成分があります。

 制酸成分を主体とする胃腸薬については酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下するため、炭酸飲料等での服用は適当ではありません。制酸成分のうちアルミニウムを含む成分については透析を受けている人の長期間の服用は避けましょう。腎臓病の診断を受けた人ではナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の無機塩類の排泄が遅れ、体内に貯留しやすくなるため、医師等に相談する必要があります。又制酸成分は他の医薬品(かぜ薬、解熱鎮痛薬)でも配合されることが多く、併用によって制酸作用が強くなりなりすぎることがあり同種の無機塩類を含む食品との相互作用に注意が必要です。

腸の薬に関する記述について正しいものを選びなさい。

  1. 1:次硝酸ビスマスは腸粘膜の蛋白質と結合し収斂作用により炎症を鎮める。
  2. 2:塩酸ロペラミドは食あたりによる下痢にも用いられる。
  3. 3:ヒマシ油は瀉下薬として比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。
  4. 4:タンニン酸アルブミンは、卵に含まれるカゼインに由来するため、鶏卵アレルギーの人は使用を避ける必要がある。
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答え
1
<解説> 腸粘膜の蛋白質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜を引き締める(収斂)ことにより、腸粘膜を保護し、炎症を鎮めることと目的として、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分、タンニン酸アルブミン等が配合されている場合があります。

 ビスマスを含む成分は収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作用も持っています。収斂成分を主体とする止瀉薬については、細菌性の下痢や食中毒の時に使用して腸の運動を鎮めるとかえって状態を悪化させるおそれがあります。

タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは牛乳に含まれる蛋白質から生成された成分であるため、牛乳にアレルギーのある人では使用を避けるようにしましょう。 塩酸ロペラミドは食べ過ぎ、飲みすぎや寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食あたりや水あたりによる下痢については適用対象でありません。

ヒマシ油は急激で強い瀉下作用を示すため、激しい腹痛又は悪心・嘔吐の症状がある人、妊婦又は妊娠していると思われる女性、3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされています。

コレステロールに関する記述のうち誤っているものを選びなさい。

  1. 1:コレステロールは食事から摂取された糖及び脂質から産生される、生体に不可欠な物質である。
  2. 2:高コレステロール改善薬の使用による対処は、食事療法、運動療法の補助的な位置づけである。
  3. 3:生活習慣の改善を図りつつしばらくの間(1~3ヶ月)高コレステロール改善薬を使用して検査値に改善が見られない時でも使用を継続する方がよい。
  4. 4:パンテチンは肝臓におけるコレステロール代謝を正常化する働きがあり、LDLの分解を促しHDLを増加させる効果を期待して用いられている。
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答え
3
<解説> コレステロールは細胞の構成成分で、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質でもあり、生体に不可欠な成分です。コレステロールは水に溶けにくいため、血液中では血漿蛋白質と結合したリポ蛋白質となって存在します。そのうち低密度リポ蛋白(LDL)はコレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポ蛋白質で、高密度リポ蛋白質(HDL)は末梢のコレステロールを取り込んで肝臓へ運ぶリポ蛋白質です。血液中のLDLが多く,HDLが少ないと心臓病や肥満、動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなります。LDLが140mg/dl以上、HDLが40mg/dl以下、中性脂肪が150mg/dlのいずれかである状態を高脂血症とよびます。

 高コレステロール改善薬は、血中コレステロール異常の改善、それに伴う末梢血行障害の緩和等を目的として使用される医薬品です。末梢組織へのコレステロールの吸収を抑えたり、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す等により、血中コレステロールの異常の改善を促すとされる成分を主体として配合されています。

強心薬に関する記述について正しいものを選びなさい。

  1. 1:ロクジョウはシカ科のシベリアジカ、マンシュウアカジカ等の雄の幼角を用いた生薬で、強心作用のほか呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。
  2. 2:ゴオウはウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を用いた生薬で、強心作用のほか、末梢血管拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされる。
  3. 3:シンジュはウグイスガイ科のアコヤガイ等の殻内肉組織中に形成される球状の塊を粉末にしたもので、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。
  4. 4:リュウノウはフタバガキ科のリュウノウジュの樹幹に析出する精油の結晶を用いた生薬で、鎮静作用を期待して用いられる。
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答え
2
<解説> ロクジョウは強心作用の他、強壮、血行促進等の作用があるとされ、シンジュは鎮静作用を期待して用いられ、リュウノウは中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられています。

 強心成分は心筋に直接刺激を与えその収縮力を高める作用を期待してセンソ、ゴオウ、ジャコウ、ロクジョウ等の生薬成分が用いられています。強心成分の働きを助ける効果を期待して、気つけ効果を期待したリュウノウや、鎮静作用を期待されたシンジュ、鎮静作用を持つレイヨウカク、鎮静、健胃、強壮作用のジンコウ、健胃消化作用の期待されるユウタン、鎮痛鎮静作用や滞った月経を促すサフラン、ストレスに対する抵抗力や新陳代謝を更新させるニンジン、強壮、血行促進、強精作用が期待されるインヨウカク等が配合されていることもあります。

 強心薬については一般に5~6日間使用して症状の改善が見られない場合には、心臓以外の要因、例えば、呼吸器疾患、貧血、高血圧症、甲状腺機能の異常等のほか、精神神経系の疾患も考えられるため、医療機関の受診を勧奨しましょう。

貧血用薬についての記述で、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:鉄材を服用すると便が黒くなることがあるが、使用の中止を要する副作用等の異常ではない。
  2. 2:銅はヘモグロビンの産生過程で鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。
  3. 3:マンガンは赤血球ができる過程で不可欠なビタミンB12の構成成分である。
  4. 4:ビタミンCは消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。
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答え
3
<解説> 一般用医薬品の貧血用薬(鉄製剤)によって改善が図ることができるのは、鉄不足によって貧血症状が生じている鉄欠乏性貧血のみです。特段の基礎疾患等がなく鉄分の欠乏を生じる主な要因としては、食事の偏りが考えられ、貧血用薬の使用による対処と併せて、食生活の改善が図られることが重要です。ただし、貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬を使用することは適当ではありません。

 食生活を改善し、かつ鉄製剤の使用を2週間程度続けても症状の改善が見られない場合には、月経過多、消化管出血、痔及び子宮筋腫等、出血性の疾患による慢性的な血液の損失が原因で貧血症状が起きている可能性があり、一般用医薬品による対処を漫然と継続することはよくないと考えられます。鉄欠乏性貧血以外の貧血により症状が現れていることも疑われるため、医療機関を受診するよう促しましょう。

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