登録販売者.com

ログイン 無料登録

対策問題集

対策問題集

第3回:
“主な医薬品とその作用-(1)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

かぜ薬で使用される医薬品の成分についての記述のうち誤っているものを選びなさい。

  1. 1:塩化リゾチームは鶏卵アレルギーのある人では使用を避ける必要がある。
  2. 2:イブプロフェンは胃・十二指腸潰瘍の既往歴のある人に再発を招くおそれがある。
  3. 3:塩酸ジフェンヒドラミンは排尿困難の症状のある人では症状の悪化を招くおそれがある。
  4. 4:リン酸コデインについては依存性があり、頻繁に使用すると下痢を起こすことがある。
答えを見る
答え
4
<解説> かぜ薬に配合される成分には解熱鎮痛成分、抗ヒスタミン成分、気管・気管支を広げるアドレナリン作動成分、鎮咳成分、抗炎症成分、鎮静成分、胃酸を中和する成分、カフェイン類、その他ビタミン成分等がある。

 解熱鎮痛成分であるアスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン等はプロスタグランジンの生成が原因となって発生する発熱や痛みを鎮める働きを持つ。但し消化管粘膜の防御機能が低下するため、消化管に広く炎症を生じる疾患である胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎又はクローン氏病の既往歴がある人ではそれら疾患の再発を招くおそれがある。

抗ヒスタミン成分にはマレイン酸クロルフェニラミン、メキタジン、塩酸ジフェンヒドラミン等がある。これらはくしゃみや鼻汁を抑える成分として配合される。抗ヒスタミン成分はヒスタミンの働きを抑える作用以外に抗コリン作用も示すため排尿困難や口渇便秘等の副作用が現れることがある。

 塩化リゾチームは鶏卵の卵白から抽出した蛋白質であるため、鶏卵アレルギーのある人では使用を避ける必要がある。

解熱鎮痛薬に関する記述の正誤について、正しいものを選びなさい。

  1. 1:サザピリンについては一般用医薬品では小児に対してはいかなる場合も使用しないこととなっている。
  2. 2:サリチルアミドについては、痛みの発生を抑える働きが中心である他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みの伝わりを抑える働きが優位であるとされている。
  3. 3:専ら小児の解熱に用いられるアセトアミノフェンが配合された坐薬は、内服薬である他の解熱鎮痛薬やかぜ薬と併用されることが望ましい。
  4. 4:化学的に合成された解熱鎮痛成分は腎臓での水分の再吸収を抑えて、発汗を促す作用もある。
答えを見る
答え
1
<解説> アスピリン、サザピリンについては外国においてライ症候群の発症との関連性が示唆されているため15歳未満の小児に対してはいかなる場合も使用しないこととされている。

 エテンザミド、サリチルアミドについては15歳未満の小児で、水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要がある。

 エテンザミドは痛みの発生を抑える働きが中心である他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みの伝わり方を抑える働きが優位であるとされている。又カフェイン類は鎮痛作用を高める効果を期待して配合される場合がある。

 他の解熱鎮痛成分に比べ、胃腸障害の比較的少ないアセトアミノフェンとカフェイン類、エテンザミドを配合したACE処方は作用の違いによる効果を期待した組み合せである。

 化学的に合成された成分は発熱に対して中枢でのプロスタグランジンの産生を抑えるほか腎臓での水分の再吸収を促して循環血流量を増し、発汗を促す作用があるとされている。

グリチルリチン酸に関する記述について、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:医薬品では1日摂取量がグリチルリチン酸として200mgを超えないように定められている。
  2. 2:グリチルリチン酸は化学構造がステロイド性抗炎症成分と類似している。
  3. 3:高齢者、むくみのある人、肝臓病の診断を受けた人では、偽アルドステロン症を生じるリスクが高いとされている。
  4. 4:甘味料として一般食品や医薬部外品などに広く用いられている。
答えを見る
答え
3
<解説> グリチルリチン酸は化学構造がステロイド性抗炎症成分と類似しているところにより、抗炎症作用を示すと考えられている。グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。高齢者、むくみのある人、心臓病、腎臓病又は高血圧の診断を受けた人では偽アルドステロン症を生じるリスクが高いとされており、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品については治療を行っている医師等に相談する等、慎重な使用がなされる必要がある。

 なお、医薬品では1日摂取量がグリチルリチン酸として200mgを超えないように用量が定められているが、かぜ薬以外にも配合されていることが少なくなく、又、甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いられるため、購入者等に対して、摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意を促すことが重要である。

 漢方処方製剤の中にも、グリチルリチン酸を含む生薬成分のカンゾウが配合されている場合があり、併用については重複に注意が必要である。

呼吸器官に作用する成分に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:リン酸ジヒドロコデインは延髄の咳嗽中枢に作用して、鎮咳作用を示す。
  2. 2:ノスカピンは自律神経を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる成分である。
  3. 3:グアイフィネシンは気道粘膜からの分泌を促進することで痰の切れを良くする作用を示す。
  4. 4:塩酸トリメトキノールはアドレナリン作動成分で、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示す。
答えを見る
答え
2
<解説> 咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときにその刺激が中枢神経に伝わり、延髄にある咳嗽中枢の働きによって引き起こされる反応である。むやみに抑え込むべきではないが、長く続く咳は体力の消耗や睡眠不足をまねくなど悪影響もある。呼吸器官に感染を起こしたときや空気が汚れた環境で過ごしたりした時、気道粘膜からの粘液分泌が増えるがその粘液に気道に入り込んだ異物や粘膜上皮細胞の残骸などが混じって痰となる。痰が気道粘膜上に滞留すると呼吸の妨げとなるため、反射的に咳が生じて痰を排除しようとする。

 ノスカピン、リン酸コデイン等は中枢性鎮咳成分、塩酸メチルエフェドリン、塩酸トリメトキノール等はアドレナリン作動性気管支拡張成分、塩酸メチルシステイン、カルボシステイン等は去痰成分である。気管支を広げる成分の中で自律神経を介さずに気管支平滑筋に直接作用して弛緩させ気管支を拡張させる成分としてジプロフィリン等のキサンチン系成分がある。又キサンチン系成分は心臓刺激作用を示し、副作用として動悸が現れることがあること、甲状腺機能障害又はてんかんの診断を受けた人では症状の悪化を招くおそれがあることも重要である。

口腔咽喉薬・含嗽薬とその成分について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:ヨウ素系の殺菌消毒成分が配合されたものはまれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。
  2. 2:有効成分が生薬成分からのみなる製品で、その効能効果が「痰、喉の炎症による声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み」の物は医薬部外品として扱われる。
  3. 3:含嗽薬は用時水に希釈又は溶解して使用するものが多いが、調整した濃度が濃すぎても薄すぎても、効果が十分得られない。
  4. 4:口腔咽喉薬は、口腔内又は咽頭部の粘膜に局所的に作用してそれらの部位の炎症による痛み腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするもので、炎症を和らげる成分、殺菌消毒成分、去痰成分が組み合わされて配合されている。
答えを見る
答え
4
<解説> 口腔咽喉薬は口腔内又は咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするもので、トローチ剤やドロップ剤のほか、口腔内に噴霧又は塗布して使用する外用液剤がある。殺菌消毒成分が配合され、口腔及び咽頭の殺菌・消毒を目指す製品があるが、鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分は配合されていない。

 トローチ剤やドロップ剤は噛まずにゆっくり溶かすように使用する、噴射式の液剤では、息を吸いながら噴霧すると気管支や肺に入ってしまうおそれがある為、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴霧すること。含嗽薬は調整した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。又含嗽薬の使用後すぐに食事を摂ると殺菌消毒効果が薄れやすい。

 口腔咽喉薬・含嗽薬は局所的な作用を目的とする医薬品であるが、成分の一部が口腔や咽頭の粘膜から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることもあり、特に口内炎等により口腔内にひどいただれのある人では、影響が生じやすくなると考えられる。

胃に作用する薬に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:消化薬は炭水化物、脂質、蛋白質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とする医薬品である。
  2. 2:消化薬は弱った胃の働きを高めることを目的とする医薬品である。
  3. 3:制酸薬は胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐き気等の症状を緩和することを目的とする医薬品である。
  4. 4:健胃薬、消化薬、整腸薬又はそれらの目的を併せ持つものは医薬部外品として製造販売されている製品もある。
答えを見る
答え
2
<解説> 胃の薬は主に制酸薬、健胃薬、消化薬、腸の薬としては、整腸薬、止瀉薬、瀉下薬がある。

 制酸薬は胃液の分泌亢進による胃酸過多やそれに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐き気等の症状を緩和することを目的とする医薬品で、配合成分としては、胃酸の働きを弱めるもの、胃酸の分泌を抑えるもの等が用いられる。

 健胃薬は弱った胃の働きを高めることを目的とする医薬品である。配合される生薬成分は独特の味や香りを有し、唾液や胃液の分泌を促して胃の働きを活発にする作用があるとされる。

 消化薬は炭水化物、脂質、蛋白質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とする医薬品である。

 健胃薬、消化薬、整腸薬又はそれらの目的を併せ持つものには、医薬部外品として製造販売されている製品もあるが、それらは人体に対する作用が緩和なものとして、配合できる成分やその上限量が定められており、また、効能・効果の範囲も限定されている。

胃の薬に用いられる成分に関する記述について、正しいものを選びなさい。

  1. 1:合成ヒドロサルタイトは中和反応によって、胃酸の働きを弱めることを目的として用いられている。
  2. 2:ロートエキスは胆汁分泌を促す作用があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。
  3. 3:ウルソデオキシコール酸は胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す等の作用が期待される。
  4. 4:塩酸セトラキサートは胃粘膜の炎症を和らげることを目的として配合される場合がある。
答えを見る
答え
1
<解説> 制酸成分として、炭酸水素ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、合成ヒドロサルタイト、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムがある。アルミニウムを含む成分は透析療法を受けている人では使用を避ける必要がある。

 健胃成分は味覚や嗅覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促すことにより、弱った胃の働きを高めることを目的として、オウバク、オウレン、センブリ、ゲンチアナ、リュウタン等の生薬成分が配合されている場合がある。

 消化成分としてジアスターゼ、プロザイム、リパーゼ等がある。中でもウルソデオキシコール酸は胆汁の分泌を促す作用があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられるが、胎児毒性の可能性があるため妊婦等には使用を避けることが望ましい。

 胃粘膜保護修復成分として、アズレンスルホンサンナトリウム、スクラルファート、ゲファルナート、テプレノン、塩酸セトラキサート等がある。 塩酸セトラキサートは血栓のある人等では注意が必要である。

腸の不調を改善する目的で用いられる成分についての記述で、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:マレイン酸トリメブチンは消化管の運動を調整する作用があるとされる。
  2. 2:次没食子酸ビスマスは収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質の分解をする作用もあるとされる。
  3. 3:タンニン酸アルブミンは腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬の併用は避ける必要がある。
  4. 4:クレオソートは殺菌作用のほか、局所麻酔作用もあるとされている。
答えを見る
答え
3
<解説> 整腸成分としては、腸内細菌のバランスを整えることを目的とする生菌成分が用いられる。ケツメイシ、ゲンノショウコ、等も整腸、腹部膨満感に用いられる。

 止瀉成分としては、ビスマス成分、タンニン酸アルブミン等が配合されているもの、オウバク、オウレン等も用いられる。塩酸ロペラミドが配合された止瀉薬は飲み過ぎ・食べ過ぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食あたりや水あたりによる下痢については適用対象ではない。発熱を伴う下痢や血便のある場合又は粘液便が続くような場合は、本剤の適用対象でない場合がある。なお、15歳以下の小児には適用がない。腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬の併用は避ける必要がある。

 細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として、塩化ベルベリン、タンニン酸ベルベリン、アクリノール、クレオソート等が用いられる。

 瀉下成分としては、センナ、ダイオウ、ピサコジル、ピコスルファートナトリウム等が用いられる。

貧血用薬の配合成分等その作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 1:ビタミンCは消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として配合される。
  2. 2:銅は赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分である。
  3. 3:コバルトは骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸コバルトが配合されている場合がある。
  4. 4:マンガンは糖質・脂質・蛋白質の代謝をする際に働く酵素の構成物質であり、エネルギー合成を促進する目的で配合されている場合がある。
答えを見る
答え
2
<解説> 貧血用薬の主な副作用として悪心(吐き気)、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、便秘、下痢等の胃腸障害が知られている。鉄分の吸収は空腹時の方が高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するには食後に服用することが望ましい。

 鉄分の主な成分としてはフマル酸第一鉄、クエン酸鉄アンモニウム等が用いられる。なお、鉄剤を服用すると便が黒くなることがあるが、使用の中止を要する副作用等の異常ではない。

 銅はヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で硫酸銅が配合されている場合がある。

 コバルトは赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分であり、骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸コバルトが配合されている場合がある。

 ヘモグロビン産生や赤血球の形成に働くビタミン成分として、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、葉酸が配合されている場合がある。ビタミンCは消化管内で鉄が吸収されやすい状態(ヘム鉄)に保つことを目的として用いられる。

高コレステロール改善薬に関する記述のうち、正しいものを選びなさい。

  1. 1:パンテチンはHDLの分解を促し,LDLの形成される過程に働きLDLを増加させる。
  2. 2:ソイステロールには末梢組織におけるコレステロールの吸収を促進する働きがあるとされる。
  3. 3:ポリエンホスファチジルコリンはコレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成し、代謝を促す効果を期待して用いられる。
  4. 4:ビタミンB2はコレルテロールから過酸化物質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされる。
答えを見る
答え
3
<解説> 高コレステロール改善薬に配合される成分として、大豆油不鹸化物(ソイステロール)、リノール酸を含む植物油、ポリエンホスファチジルコリン(大豆から抽出・精製したレシチンの一種)、パンテチン等が用いられる。いずれも脂溶性物質であるため、悪心(吐き気)、胃部不快感、胸やけ、下痢等の消化器系副作用が現れることがある。

 ソイステロールは末梢組織におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。リノール酸、ポリエンホスファチジルコリンは肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して、パンテチンは肝臓におけるコレステロールの代謝を正常化する働きがあるとされ、LDLの分解を促し、HDLを増加させる効果を期待して用いられる。

 血漿中に過剰に存在するコレステロールは過酸化脂質となって種々の障害の原因になることが知られているが、過酸化物質と結合しその代謝を促す作用を期待してビタミンB2が配合されている場合がある。ビタミンEはコレステロールから過酸化脂質の生成を抑えるほか末梢血管における血行を促進する作用があるとされ、末梢血行障害の緩和等を目的として用いられる。

arrow_drop_up