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対策問題集

対策問題集

第2回:
“人体の働きと医薬品”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

口腔に関する記述で、誤っているものを1つ選びなさい。

  1. 1:唾液には消化酵素(プチアリン)や殺菌・抗菌物質(リゾチーム等)が含まれている。
  2. 2:胃液分泌と粘液分泌のバランスが崩れると、胃液により胃の内壁が損傷をうけて胃痛等の症状を生じる。
  3. 3:舌の表面には、絨毛という無数の小さな突起があり、味覚を感知する部位である味蕾が分布している。
  4. 4:歯冠の表面はエナメル質で覆われ、その下には象牙質と呼ばれる硬い骨状の組織がある。
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答え
3
<解説> 舌の表面には、舌乳頭という無数の小さな突起があり、味覚を感知する部位である味蕾が分布している。舌は味覚を感知するほか、咀嚼された飲食物を撹拌して唾液と混和させる働きがある。

 唾液腺は唾液を分泌し、食物を湿潤させてかみ砕きやすくし、また、咀嚼物を滑らかにして嚥下を容易にする。唾液にはデンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン、唾液アミラーゼともいう)が含まれ、又、味覚の形成にも重要な役割を持つ。

 唾液はリゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含んでおり、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用もある。

 歯は歯周組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質)によって上下の顎の骨に固定されている。歯槽骨の中に埋没している部分を歯根、歯頚を境に口腔に露出する部分を歯冠という。歯冠の表面はエナメル質で覆われ、体で最も硬い部分となっている。エナメル質の下には象牙質と呼ばれる硬い骨状の組織があり、神経や血管が通る歯髄を取り囲んでいる。

膵臓についての記述で誤っているものを選びなさい。

  1. 1:膵液中のトリプシノーゲンは、腸液に含まれる成分の働きによってトリプシンになる。
  2. 2:トリプシンは胃で半消化された蛋白質をさらに細かく消化する酵素である。
  3. 3:膵臓は蛋白質、脂質、炭水化物のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。
  4. 4:膵臓は消化腺であるとともに、血圧を調節するホルモンを血液中に分泌する。
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答え
4
<解説> 膵臓には消化管内に分泌する外分泌機能と、血管内に分泌する内分泌機能とが備わる。膵臓から外分泌されるものを膵液といい、アミラーゼ(デンプンを麦芽糖にする。アミロプシンともいう)、マルターゼ(麦芽糖をブドウ糖に分解する)、リパーゼ(中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する)、トリプシノーゲン(活性化されると、半消化された蛋白質ペプトンを分解する)等が含まれる。他方、内分泌液中には、インスリン(血中グルコースの低下に作用する)、あるいはグルカゴン(血中グルコースの維持に作用する)等のホルモンが含有されている。

 インスリンは骨格筋や肝臓では、グリコーゲンの合成促進、分解抑制又、肝臓では脂肪酸の合成促進、分解抑制、あるいは脂肪組織では中性脂肪の生合成促進、分解抑制に作用し、その結果、血中ブドウ糖濃度は急速に低下する。

 グルカゴンは肝臓でのブドウ糖の合成促進、脂肪組織では脂肪酸の供出促進に作用する。これらの作用の結果、血中ブドウ糖濃度が維持されることになる。また、膵液はアルカリ性の性質を持ち、胃から流れ込んだ酸性状態の内容物の中和に重要な役割を果たしている。

大腸に関する記述について、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:大腸の内壁粘膜には絨毛がない。
  2. 2:大腸では消化はほとんど行われない。
  3. 3:大腸内には腸内細菌が多く存在し、腸管内の食物繊維を発酵分解する。
  4. 4:大腸の腸内細菌は血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンD等の物質も産生している。
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答え
4
<解説> 盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸,S状結腸、直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に絨毛がない点で小腸と区別される。

 腸の内容物は大腸に入ってきたときはかゆ状であるが、大腸の運動によって腸管内を通過するに従って水分とナトリウム、カリウム、リン酸等の電解質の吸収が行われ、固形状の糞便が形成される。大腸では消化はほとんど行われない。大腸の粘膜から分泌される粘液(大腸液)は、便塊を粘膜上皮と分離しやすく滑らかにする。

 大腸内には腸内細菌が多く存在し、腸管内の食物繊維を発酵分解する。大腸の粘膜上皮細胞は、腸内細菌が食物繊維を分解して生じる栄養分を、その活動に利用しており、大腸が正常に働くには、腸内細菌の存在が重要である。また、大腸の腸内細菌は血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンK等の物質も産生している。

循環器系に関する記述について、正しいものの組み合わせを選びなさい。

  • (a)心臓は心筋でできた握りこぶし大のスポンジ状臓器で、胃の後方の左腹部に位置する。
  • (b)アルブミンはホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。
  • (c)心臓はポンプの役割を果たすことによって、血管系とリンパ系の循環をまかなう。
  • (d)リンパ液で運ばれてきた細菌やウイルス等は、リンパ節で免疫反応によって排除される。

  1. 1:(a,b)
  2. 2:(c,d)
  3. 3:(a,c)
  4. 4:(b,d)
  5. 5:(b,c)
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答え
4
<解説> 心臓は心筋でできた握りこぶし大の袋状の臓器で、胸骨の真下に位置する。血液は心臓がポンプの役目を果たすことによって循環している。

 血管系が心臓を中心とする閉じた管(閉鎖循環系)であるのに対して、リンパ系は末梢がリンパ毛細管となって組織の中に開いている開放循環系である。

 リンパ液が循環するリンパ系は血管系とは半ば独立した循環系として存在する。リンパ系には心臓のようにポンプの働きをする器官がなく、リンパ液の流れは主に骨格筋の収縮によるものであり、流速は血流に比べて緩やかである。リンパ液は血漿の一部が毛細毛管から組織の中へ滲み出して組織液となったもので、血漿とほとんど同じ成分からなるが、蛋白質が少なく、リンパ球を含む。リンパ管は最終的に鎖骨下静脈につながるが、途中にリンパ節と呼ばれる結節があり、その内部に密集しているリンパ球やマクロファージ(貪食細胞)が、リンパ液で運ばれてきた細菌やウイルス等を免疫反応によって排除する。

泌尿器に関する記述について、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:男性では加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある。
  2. 2:男性では膀胱の真上に尿道を取り囲むように前立腺がある。
  3. 3:高齢者では膀胱や尿道の括約筋の働きによって排尿を制御する機能が低下し、また膀胱の容量が小さくなるため、尿失禁をおこしやすくなる。
  4. 4:女性では尿道が短いため細菌などが侵入しても膀胱までの感染は生じやすい。
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答え
2
<解説> 左右の腎臓と膀胱は尿管でつながっており、腎臓から膀胱を経て尿道に至る尿の通り道を尿路という。尿のほとんどは水分で、尿素尿酸等の老廃物、その他微量の電解質、ホルモン等を含む。

 膀胱は下腹部中央に位置し、尿を一時的に溜める袋状の器官である。尿が膀胱に溜まってくると刺激が脳に伝わって尿意が生じる。膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。

 膀胱に溜まった尿が体外に排泄されるときに尿道を通る。 女性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。 高齢者では、膀胱や尿道の括約筋の働きによって、排尿を制御する機能が低下し、又、膀胱の容量が小さくなるため尿失禁を起こしやすくなる。 又、男性では、膀胱の真下に尿道を取り囲むように前立腺がある。加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある。

外皮系に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:体温が上がり始めると、皮膚を通っている毛細毛管が収縮し、体外へより多くの熱を排出する。逆に体温が下がり始めると毛管が開いて放熱を抑える。
  2. 2:皮脂は皮膚を潤いのある柔軟な状態に保つとともに、外部からの異物に対する保護膜としての働きがあり、皮脂の分泌が低下すると皮膚が乾燥する。
  3. 3:爪や毛等の角質は皮膚の一部が変化してできたもので、皮膚に強度を与えて体を保護している。
  4. 4:皮膚の表面に存在する微生物のバランスが崩れたり、皮膚を構成する組織に損傷を生じると、病原菌の繁殖、侵入が起こりやすくなる。
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答え
1
<解説> 身体を覆う皮膚と汗腺、皮脂腺、乳腺等の皮膚腺、爪や毛等の角質を総称して外皮系という。皮膚には身体の維持と保護機能、体水分の保持機能、外界情報の感知機能、熱交換機能がある。熱交換機能は、体温が上がり始めると皮膚を通っている毛細血管に血液がより多く流れるように血管が開き、体外へより多くの熱を排出する。また、汗腺から汗を分泌し、その蒸発時の気化熱を利用して体温を下げる。逆に、体温が下がり始めると血管は収縮して、放熱を抑えるしくみである。

 皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる。表皮は最も外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられる。角質層は細胞膜が丈夫な線維性の蛋白質(ケラチン)でできた板状の角質細胞とセラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。

神経系に関する記述のうち正しいものの組み合わせを選びなさい。

  • (a)小児は血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。
  • (b)概ね、副交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、交感神経は体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。
  • (c)脊髄は脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を繰り返す場合がある。
  • (d)一般的に交感神経の神経伝達物質はアセチルコリン、副交感神経の神経伝達物質はアドレナリンとノルアドレナリンである。

  1. 1:(a,b)
  2. 2:(c,d)
  3. 3:(a,c)
  4. 4:(b,d)
  5. 5:(b,c)
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答え
3
<解説> 神経系はその働きにより中枢神経系と末梢神経系に大別される。 中枢神経系は脳と脊髄からなる。脳は記憶、情動、意思決定等の働きを行っていて、脳の下部には自律神経系、ホルモン分泌等調節機能を担っている部位がある。脳の血管は末梢に比べて物質の透過に対する選択性が高い。小児ではその血液脳関門が未発達であるため循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。脊髄は脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを脊髄反射と呼ぶ。

 末梢神経系は交感神経系と副交感神経系からなり、概ね交感神経系は緊張状態に対応した態勢をとるように働き、副交感神経系は体が安息状態となるように働く。 交感神経の神経伝達物質はアドレナリンとノルアドレナリン、副交感神経の神経伝達物質はアセチルコリンである。但し汗腺を支配する交感神経線維の末端では、例外的にアセチルコリンが伝達物質として放出される。

薬の吸収に関する記述の正誤について正しいものはどれか。

  1. 1:点眼薬はすぐに涙道に流れてしまい、全身作用をもたらすほど吸収されないため、ショック等の副作用は生じない。
  2. 2:消化管の内容物や他の医薬品の作用によって、有効成分の吸収量や吸収速度は、影響を受けない。
  3. 3:内服薬は腸溶性製剤のような特殊なものを除き、多くの場合、小腸で有効成分が溶出し、吸収は主として大腸でなされる。
  4. 4:内服薬の中には、服用後の作用を持続させるため、有効成分がゆっくりと少しずつ溶出するように作られているものがある。
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答え
4
<解説> 内服薬はその有効成分が消化管から吸収されて循環血液中に移行し、全身作用を現す。錠剤、カプセル剤等の固形剤では、消化管で吸収がなされる前に、錠剤等が溶解して行こう成分が溶け出さなければならないが、腸溶製剤のような特殊なものを除き、多くの場合、胃で有効成分が溶出する。内服薬の中には、服用後の作用を持続させるため、行こう成分がゆっくりと少しずつ溶出するように作られているものもある。

 吸収は主に小腸でなされる。一般に消化管からの吸収は消化管が積極的に医薬品を取り込むのではなく、濃い方から薄い方へ拡散していくことによって消化管にしみ込んでいく現象である。消化管の内容物や他の医薬品の作用によって吸収量や吸収速度が影響を受けやすく、又医薬品の成分によっては消化管の粘膜に障害を起こすものもあるため、食事と服用時期の関係について、各医薬品の用法に定められている。

 点眼薬も、咽頭粘膜に適用する医薬品についても、アレルギー性の副作用は微量の摂取でも生じるため、点眼薬や含嗽薬等でもショック(アナフィラキシー)等が起こることがある。

医薬品の使用によって発生するショック(アナフィラキシー)に関する記述のうち、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:医薬品の成分に対する即時型の過敏反応である。
  2. 2:以前に医薬品の使用によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人は、その医薬品によるアナフィラキシーが起きるリスクは低いとされている。
  3. 3:適切な対応が遅れれば致命的な転帰をたどるおそれがある。
  4. 4:発症してから進行が非常に速い(2時間以内)ことが特徴である。
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答え
2
<解説> ショック(アナフィラキシー)は医薬品の成分に対する即時型の過敏反応(アレルギー)である。発生頻度は低いが、以前にその医薬品の使用によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きるリスクが高いとされている。 

 顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚の痒み、蕁麻疹、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ(浮腫)、吐き気、顔面蒼白、手足が冷たくなる、冷や汗、息苦しさ・胸苦しさ等の症状が突如現れ、発症すると急速に症状が進行して、チアノーゼ(血液中の酸素不足に起因して、皮膚や粘膜が暗青色になる症状)や呼吸困難等を生じ、適切な対応が遅れれば致命的な転帰をたどるおそれがある。

 発症してから進行が非常に速い(2時間以内)ことが特徴であり、救急車等を利用して直ちに救急救命処置が可能な医療機関を受診する必要がある。

関質性肺炎に関する記述のうち、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:かぜ、気管支炎等の症状と区別することが困難である。
  2. 2:肺胞と毛細血管の間でガス交換効率が低下し、血液に酸素が十分取り込めずに低酸素状態となる。
  3. 3:息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳が医薬品の使用から1~2週間程度の間に起きるが、細菌感染ではないので、発熱を伴うことがない
  4. 4:症状が一時的で改善することもあるが、悪化すると肺線維症となる場合がある。
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答え
3
<解説> 通常の肺炎は、気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたものであるのに対し、間質(肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織)で起きた肺炎を間質性肺炎という。間質性肺炎では、肺胞と毛細血管の間でのガス交換効率が低下して、血液に酸素が十分取り込めずに低酸素状態となる。息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳(痰のでない咳)、発熱等が、医薬品の使用から1~2週間程度のあいだに起こる。息切れは初期には運動時又は坂道や階段を上がるときに起きるが、進行すると歩行だけでも息切れを感じるようになる。発熱は必ずしも伴わないことがある。

 これらの症状はかぜ、気管支炎等の症状と区別が難しいこともあり、注意が必要である。症状が一時的で改善することもあるが、悪化すると肺線維症(肺が線維化を起こして硬くなってしまう状態)となる場合がある。重篤な症状への進行を防止するため、原因と思われる薬剤の使用を中止して、速やかに医師の診察を受ける必要がある。

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