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貼り薬
(肩こり、腰痛など)

『肩がこるのですが、温湿布と冷湿布どちらがいいですか?』とよく聞かれます。
こんな時はどうアドバイスをすればいいでしょうか。

貼り薬には大きく分けて2つのタイプがあります。
刺激型(第1世代)非ステロイド抗炎症剤を含む経皮吸収局所型(第2世代)です。

刺激型はサリチル酸メチル等を含みl-メントールやハッカ油等の冷感刺激成分を含むタイプ(冷湿布)とトウガラシエキスなどの温感層を刺激して血行促進する成分を含むタイプ(温湿布)に分かれます。ただ刺激成分が含まれているため、1日中貼り続けると発疹、発赤などの皮膚かぶれを起こすことがあります。急性疼痛では5~6日間の使用に留めるようアドバイスしましょう。
経皮吸収局所型は非ステロイド性の抗炎症成分を含有し確実な鎮痛効果を発揮します。
製剤のうち80%はインドメタシン製剤です。但し、消化性潰瘍や出血性素因、気管支喘息の人は悪化することがあります。また、患部が別の皮膚疾患により炎症や化膿がある場合やアレルギー体質の人や皮膚が弱くかぶれやすい人も、接触性皮膚炎を起こすため使用できません。又ケトプロフェンやピロキシカム含有製品は光線過敏症を起こす恐れがあります。

さて、温湿布と冷湿布の使い分けについて考えてみましょう。
冷感タイプ温感タイプは肩こりや腰痛など、慢性的な痛みに用います。温熱効果により筋肉の凝りをほぐし血行を改善できます。又急性期(24~48時間以内)の外傷痛やスポーツ時の筋肉痛では以下に示すRICEとよばれる応急処置を行うことで炎症や腫脹を和らげる効果があります。

  • RICE療法
Rest(安静) 痛みが起きず活動性が保たれる程度の安静
Icing(冷却) 15~20分程度氷のパックで患部を冷やす
Compression(圧迫) 包帯で患部を圧迫
Elevation(挙上) できるだけ長く頻繁に患部を心臓より高い位置に挙上し浮腫を改善する

次に剤型の特徴や使い分けについて考えてみましょう。

パップ剤(水性) 急性の疼痛向き冷却効果があり腰・背部など広範囲向き、皮膚への刺激は少ない。
プラスター剤(油性) 関節や動きの激しい部分向き、慢性化して冷却効果を望まない患部向き
軟膏 擦り込むことでマッサージ効果も期待できる慢性疼痛向き
クリーム 浸透性に優れべたつき感が少ない。創のある局所は使用不可
ゲル 冷却効果あり、べたつき感が少なく、皮膚浸透性・洗浄性に優れる
ローション・スプレー 広範囲に適応、目立たない、有毛部位も塗布可能、
アルコールなどを含むため清涼感や冷却効果、心理効果を期待できる

最後になりましたが、セルフメディケーションで一番大切なのは日常生活です。

  • 姿勢をよくする
  • 筋力をアップさせる(適度な運動、ストレッチなど)
  • ストレスをためない
  • 痛い部位を冷やさない
  • 疲労をためない
  • 肥満の解除(関節痛の場合)

など積極的なコミュニケーションをもちながら、適切な製剤をお勧めするのが何よりと思われます。

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