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塗り薬
(痒み止め、虫刺されなど)

40歳くらいのビジネスマンです。『病院でフルコートをもらっていたのですが、同じくらいの強さのステロイドはありますか?』とお尋ねです。
フルコートはフルオシノロンアセトニドというSTRONG(強力)に分類される副腎皮質ステロイド剤を主成分としています。
ステロイドは免疫抑制作用、抗炎症作用、細胞増殖抑制作用が強く、多くの疾患に利用されています。投与量が少ない場合や、大量でも短期間のみの使用の場合はあまり大きな問題はありませんが、長期投与では皮膚萎縮、乾皮症、多毛、毛細血管拡張などを起こすこともあります。

OTCに用いられているステロイド剤の強さについて分類してみましょう。

STRONG(強い) デキサメダゾンとその塩類、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド
MILD(普通) 酪酸ヒドロコルチゾン
WEAK(弱い) 酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、コルチゾン

実際に多くの患者が使用している吉草酸酢酸プレドニゾロン(STRONG)製剤はアンテドラッグと呼ばれ科学的修飾を加えることで、皮膚において薬効が発現した後、血流に入ると速やかに代謝され局所副作用はWEAK並みに抑えられています。

他に、ぬり薬配合されるステロイド以外の成分をあげてみましょう。

非ステロイド性抗炎症成分 ウフェナマート、ブフェキサマク
抗炎症成分 グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム
抗ヒスタミン成分 ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン
鎮痒成分 クロタミトン
殺菌成分 塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール
局所麻痺成分 塩酸ジブカイン、リドカイン、アミノ安息香酸エチル
皮膚保護保湿成分 ワセリン、尿素、ヘパリン類似物質
ビタミン類 酢酸トコフェロール

次にかゆみを起こす様々の症状と配合成分についてまとめてみましょう。
1. 湿疹・皮膚炎用薬
こすったり引っ掻いたりすることによるものや、紫外線、寒冷による刺激や接触性、食物や内用薬などの内因性による湿疹や皮膚炎には用いられるぬり薬にはステロイド抗炎症成分、非ステロイド抗炎症成分、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、鎮痒成分、殺菌成分等を配合しています。
2. かゆみ、虫さされ用薬
人を刺す虫には蚊、ダニ、ブヨ、ノミ、ハチなどがあり症状としては主にかゆみですが、腫れ、赤み、ひどい時には水ぶくれが生じることもあり、ぬり薬には痒みを抑える成分を中心に二次感染を防ぐ成分を配合しています。主に抗ヒスタミン成分、ステロイド抗炎症成分、鎮痒成分、局所麻痺成分、抗炎症成分、殺菌成分、局所麻痺成分(アンモニア)清涼化成分(dl-カンフル、l-メントール)等です。
3. しもやけ、あかぎれ用薬
しもやけは末梢の血液の流れが悪くなり手足に起こります。あかぎれは皮脂線や汗腺の働きが低下して皮膚の潤いが無くなることでできやすくなります。ぬり薬には血行促進成分(トウガラシ、ビタミンE、ニコチン酸ベンジルエステル)、角質軟化皮膚保護成分、鎮痒成分、抗炎症成分(グリチルレチン酸)等を配合しています。
4. 乾燥性皮膚用薬(皮膚軟化)
主成分として角質軟化保湿成分が含まれています。乾燥した皮膚は刺激に対して敏感で痒みや炎症を起こしやすくなっていることから、ぬり薬には鎮痒成分(ジフェンヒドラミン、クロタミトン)血行促進目的のビタミンE、角質軟化保湿成分(グリセリン、尿素)、血流改善と保湿作用を持ち乾燥を抑えるヘパリン類似物質を配合しています。
諸症状における配合成分を念頭において、適切なお薬をお勧めしましよう。

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