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漢方薬 

夕刻6時半頃、仕事の帰りとお見受けする60歳前後の男性がご来店されました。「頻尿治療薬の内服液をお持ちになって、この薬飲んだら夜中にトイレに行かないですむの?」とお聞きになりました。

実はこの内服液には元になる医療用の漢方薬があったのです。
それは前立腺肥大症などに良く用いられている有名な『八味地黄丸』です。この内服液と八味地黄丸は8種類の生薬成分から構成されていますが、このうちの7種類の成分は同じで、1種類のみ八味地黄丸の附子(ぶし)がOTC内服液では炮附子(ほうぶし)になっています。
炮附子は附子を苦汁に漬け込んだ後加熱処理を施し弱毒化したものです。附子はトリカブトから採る薬効成分で毒性の強い成分として有名です。おそらくはOTC薬に取り入れた場合の飲みすぎを恐れて弱毒化した成分に切り替えたのでしょう。つまりこの内服液は八味地黄丸とほぼ同じものという訳です。
八味地黄丸は1日3回服用に対して、OTC内服液は1日2回服用という点と1日分の価格はだいぶ違います。液体製剤にした分やや割高になっています。

漢方では頻尿を『腎虚』ととらえ、腎虚を改善する薬が使われます。「胃腸が丈夫か虚弱か」「むくみが強いか弱いか」などによって適した漢方薬が選ばれます。
胃腸が丈夫でむくみが強ければ『牛車腎気丸』、むくみがなく軽度であれば『八味地黄丸』、胃腸が虚弱な場合には『清心蓮子飲』が特に長期に渡って排尿のトラブルに悩まされていて、神経質な人に向いています。
夜間頻尿と前立腺肥大がセットになった男性とは違い女性は膀胱の弾力性の喪失によって頻尿に悩まされることがあります。最近OTCで販売されるようになった『フラボキサート塩酸塩』は女性を対象としています。
膀胱が充満した時におこる膀胱平滑筋の収縮を緩解することにより頻繁な尿意を抑える作用があり、排尿力を低下させることなく頻尿や残尿感を改善します。

女性の場合は骨盤底筋トレーニングを1日3回取り入れることをお勧め下さい。日常生活の注意としてはストレスをためない、長時間座位の姿勢をとらない、長時間尿を我慢しない、性生活はほどほどに、禁酒、禁煙を心がけるよう言葉を添えましょう。

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