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解熱鎮痛薬

日曜日の昼下がりでした。40歳前後と見られる男性がご来店です。
『妻が妊娠中なのですが、使っていい解熱剤はありますか?』とお尋ねになりました。『妊娠何週目かお分かりになりますか?』とお聞きしましたが不明でした。

妊娠中においては不必要な薬剤の使用は避けなければならないのは言うまでもないのですが、妊婦への解熱薬の投与で比較的安全とされているものがあります。
アセトアミノフェンとイブプロフェンです。ただ、出産予定日12週以内の後期での服用は胎児の動脈管閉鎖する可能性がある為、避けるようにアドバイスして下さい。
ここにOTCに用いられる主な解熱鎮痛成分についてまとめてみましょう。
解熱鎮痛剤で最もよく用いられるアセトアミノフェンは胃腸障害等の副作用が少なく子どもにも使いやすい中枢性の医薬品です。但し重い肝障害のある人にはお勧めしないようにしましょう。
アスピリンなどのサリチル酸系製剤は中枢にも末梢にも作用します。プロスタグランディン(PG)生合成を阻害し鎮痛作用を示しますが15歳未満の小児にはライ症候群を起こすおそれがあり使用することはできません。又、重篤な血液異常の人は出血傾向を助長するため禁忌です。
イブプロフェンはOTC薬の中で解熱作用より抗炎症作用が強く、アスピリンより強力で胃腸障害が少なく、のどの痛み、関節痛を伴う場合に効果的で
ピリン系のイソプロピルアンチピリンは鎮痛作用が強く抗炎症作用の弱い成分です。使用者にピリン系製剤アレルギーがある場合、ピリン疹が現れたりショック(アナフラキシー)を起こしたりします。必ずピリン系医薬品にアレルギーがないか確認しましょう。
又OTCの解熱鎮痛剤には鎮痛作用を高める目的で様々な成分が配合されています。ブロムワレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素は催眠鎮静成分として、カフェイン類は大脳皮質に作用し知覚を鋭敏にし、精神機能を亢進させる脳血管を収縮させ血管抵抗を増加、脳血液を減少させて頭痛を抑えたり、眠気、疲労を改善させたりする目的で配合されています。その他の生薬成分、ビタミン類(発熱時に消耗するビタミン補給)、制酸成分(解熱鎮痛剤による胃の不調を抑制)が配合されている製剤もあります。
最後にOTCの鎮痛剤は対症療法的に症状を緩和させるもので、連用すべき医薬品ではありません。鎮痛剤を3ヶ月以上毎日服用していると『薬物乱用頭痛』が起きやすいと言われています。頻繁に鎮痛剤を購入される方にはこのような事もお伝えし、医療機関への受診をお勧めしましょう。

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