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2018年発売のインフルエンザ治療薬について

2018年3月に発売となったインフルエンザ治療薬『ゾフルーザ』について説明していきたいと思います。お客様の中には、予防にインフルエンザ治療薬飲めるんでしょ?予防接種は効くの?もしかかったら、インフルエンザ治療薬は何が一番効くの??と質問される方が増えてきたように感じます。特にセルフメディケーションをされているお客様によく対応するのが登録販売者の皆さんだと思います。これからインフルエンザの質問が増える中で、正確な知識と、どう対応したらいいのか、解説していきます。

予防接種は効果あるの?

インフルエンザの治療薬に予防効果があるなら、注射しなくても良いんじゃない?と思われる方も少なくないはず。

インフルエンザの治療薬(吸入や飲み薬)に予防効果はありますが、予防には2種類あります。インフルエンザウィルスが体の中にある人に対し、発症しないようにする予防と、体の中にインフルエンザウィルスが無い人に対し、もしウィルスが体内に入ってきたら勝てるようにしておく予防の2種類です。

治療薬の効果は、前者の予防法です。なので、ウィルスが体内にいないのに予防しても意味がありません。インフルエンザ患者と接触してしまった、ウィルスが体の中に絶対いる!という時に予防で服用してもらうと発症させずにウィルスを殺すことが出来ます。

後者の予防法は、ワクチンです。予め体の中でウィルスが来ても戦える戦力(抗体)を作っておきます。戦力を作るにも時間がかかるので、ワクチン接種後1ヶ月は抗体が出来ないと言われているのです。

予防したいとお客様から相談を受けた時には、どちらの状況なのかを判断してアドバイスをしましょう。

インフルエンザ治療薬は何が一番効くのか?

インフルエンザ治療薬には、カプセルのタミフル、粉薬の タミフル、吸入のリレンザとイナビル、点滴のラピアクタ、今年発売の錠剤のゾフルーザが有ります。

まず、全ての薬に共通して、インフルエンザウィルスを殺す作用が有りますが、その作用が異なります。ゾフルーザ以外は増殖したウィルスを外に出さないようにする作用ですが、ゾフルーザは増殖自体を止める作用です。そして錠剤が飲める子であれば年齢制限が無いのもポイントです。

インフルエンザにかかり、だるくて、高熱が続くのが辛いという自覚症状についてはらイナビル、ゾフルーザは同じ位早く効果が実感できるといわれています。

薬学的観点から見ますと、ゾフルーザは増殖(元から断ち切る)させない為、身体から早く消失し、他人への感染も防ぐ効果が有ります。

値段から見るとタミフルが最も安いですが、イナビルとゾフルーザは3割負担で数百円程度の差なのであまり変わりません。お客様にインフルエンザの治療薬で相談を受けた時は2〜2種類比較して例を挙げると理解してもらいやすいと思います。

今年発売!新薬のゾフルーザの、メリット、デメリット

ゾフルーザのメリットは、イナビルと同じで一回のみ服用すれば良いという点です。

イナビルは吸入することが難しい患者に投与が難しいというデメリットが有りましたが、ゾフルーザは錠剤のため、とても飲みやすいです。

そして、顆粒も発売されている為(顆粒に関しては体重制限があります)20kg以上の子供で服用可能です。味もかなり美味しいいちご味になっているようです。

今後体重制限もなくなってくると思うので、もっと小さな子供にも服用可能になる予定です。現在は、20kg以下の子には錠剤を粉砕して服用させる事は可能です。ただし苦味が強い為、何かゼリー等に混ぜて飲むことをオススメします。

ゾフルーザのデメリットとしては新薬であるため、データが少ないという意味ではデメリットでも有りますが、しっかりと治験をしており、効果がしっかりと認められているのに違いはありません。

よくドラッグストア等で風邪薬を探している、かなり高熱のお客様がみえます。10月以降わインフルエンザが流行るため、こんなインフルエンザの薬があるから、すぐに病院に行ってください。とお話しする際にも、もし少しお話しできるのであれば、今年出たこんなお薬があって、早く楽になるという説明も加えてあげることで病院受診率が上がり、またその薬局への再来客にも繋がると思います。一言アドバイスの有無が、お客様にとってはかなり大きく印象を変えるというデータもあるようです。是非使っていただけたらと思います。

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