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見た目はまったく塩のようですが、塩ではないのです~エプソムソルト~

日本ではあまり聞き覚えのない「エプソムソルト」。「エプソム」とはイングランドの地名であり、そこで発見され、見た目が塩に似ていたのでこの名前になったと言われています。欧米では昔から入浴剤として使われていました。

「エプソムソルト」とは何?

見た目が塩に似ているだけで、実際はまったく塩分は含んでおらず硫酸マグネシウムの一般的な名称です。

●エプソムソルト(wikipedia)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%97%E3%82%BD%E3%83%A0%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%88

サッカー選手のベッカム氏の奥様、ヴィクトリア・ベッカムさんが「次の日に2kg痩せる」と発言したり、その他にも多くのハリウッドスターが日常的にもレッドカーペットを歩く前にも愛用しているとのことで、最近はすっかり日本でも、主にダイエット目的で有名になりました。

ただ、常識的に考えて一晩で脂肪2kgは減りませんから、これは発汗作用のために水分が抜けた分がほとんど考えるのが妥当だと思います。
実際によく汗が出るという感想は多く、そのためデトックスに良いと思われているようです。

しかし、実は人間のデトックスは発汗から行われることは少なく、だっくだくに汗をかいても、あまりデトックスには関係がないのです。
ではなぜエプソムソルトは身体に良いのでしょうか?

エプソムソルトが身体に良い理由

これは、マグネシウムの効果だと思われます。
マグネシウムは重要なミネラルで、体内で300種以上の酵素反応に関わっていると言われています。

タンパク質の合成、神経伝達の制御、心機能の維持、神経伝達、筋収縮、血圧調節などに関わり、不足するとさまざまな疾患・体調不良の原因になるといいます。

カルシウムと拮抗して働きますので、もちろん骨の健康にも関わりが深く、また、セラミドの合成を促進するので、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の改善にも効果が期待できるそうです。

最近は、マグネシウム不足が片頭痛にも影響すると言われていますね。

●マグネシウム

http://www.orthomolecular.jp/nutrition/magnesium/

●敏感肌、アトピー性皮膚炎に対するマグネシムの効果

http://aoyamahihuka.com/column/column10.pdf

エプソムソルト浴の効果・注意点

海外の大学において、エプソムソルト浴を行うと、血中マグネシウム濃度が上がるとの研究結果が出ています。マグネシウムは、発汗やストレス、飲酒などでも失われやすく、また、なかなか経口摂取では吸収されづらいのだそうです。

そのため、欧米などではマグネシウムの経皮吸収療法などが行われています。それに使われているのがエプソムソルトやマグネシウムオイルです。
日本だと、にがりなどでも代用できるようですよ。海水浴で皮膚症状が良くなることがあるのも、マグネシウムの効果ではないかと言われています。

エプソムソルト浴は、お風呂にだいたいカップ1杯入れるだけの簡単な入浴方法ですが、注意していただきたいことは、20~30分以上の長湯をしないこと。たくさん発汗しますので、水分補給を十分にすることです。

この時間制限に対してよくブログなどでは「20分以上浸かっていると、せっかく排出した老廃物や毒素を再吸収してしまう」というような説明がされているのですが、いったいなにを老廃物や毒素と定義しているのかとか、皮膚の構造や性質を考えると、ちょっとそれは眉唾な説明です(苦笑)。

おそらくは、身体を温める効果が高く、発汗が多くなるので、あまり長く入ると脱水の危険性や、逆に疲労してしまうことがある、ということではないでしょうか。

全身浸かるのがしんどい方は、足湯などでもいいそうです。体臭を抑えるのにも効くとのことですので、これからの季節に良い感じですね!ちなみに、薬などを服用している方は、血中マグネシウム濃度の上昇が影響を及ぼさないかどうか、かかり付けのお医者様にご相談ください。

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