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薬は水か白湯で。ではミネラルウォーターは?

昔から薬は水か白湯(さゆ)で飲む、と言われますよね。それでは水は水でもミネラルウォーターは適しているのでしょうか? 最近は水分補給にミネラルウォーターを飲む人も多いため、質問もされやすいかもしれません。今回は薬とミネラルウォーターの関係について考えてみましょう。

ミネラルウォーターに含まれるもの

ミネラルウォーターで飲むことによって薬が影響を受ける理由はいくつかありますが、効果自体に大きな影響をおよぼすものとして「硬度」があります。

まずミネラルウォーターのミネラルというのは鉱物を指し、例えばカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンを含むことを表しています。

この金属イオンの量を示す値が硬度です。硬度の高い水を硬水、低い水を軟水と呼ぶことは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

金属イオンによって影響を受ける医薬品は、硬水で服用することによって正しく作用することができなくなります。したがって全てのミネラルウォーターが薬の服用に適さないわけではなく、硬度が水道水と同じくらいか、より少ない物であれば、薬への影響を気にする必要はありません。

ミネラルウォーターで飲んではいけない薬

医療用医薬品では、テトラサイクリン系、ニューキノロン系と呼ばれる抗生物質や骨粗鬆症用のビスホスホネート製剤などの効果に大きな影響を及ぼします。

これに対し市販薬の中ではこれらの医薬品ほど、硬度に特別注意しなければならない成分はありません。しかし便秘改善薬としてマグネシウム製剤があることからわかるように、硬度の高いミネラルウォーターを飲むことで下痢気味になってしまう方もいます。

ですので、特に治療中の疾患がない方であればそれほど神経質になる必要がないことと合わせて、便通について触れられると良いでしょう。

硬度以外で医薬品が受ける影響

金属イオンの量とは別に、pH(ピーエイチ、もしくはペーハー)によって味に影響を受ける場合があります。pHはその水がアルカリ性か酸性かを示す値です。薬の中にはとても苦い成分がありますが、製薬会社はなるべく苦味を感じないようその成分のまわりにコーティングをするなどの工夫をしています。

しかしコーティングの種類によっては、アルカリ性もしくは酸性の飲み物で溶け、中の苦味成分が出てきてしまうのです。したがって、もし苦すぎて飲めないなどの意見があれば中性でないミネラルウォーターやコーヒー、オレンジジュースなどで飲んでいないか確認してみましょう。

水なしで飲める薬もありますが、多くの薬は水や飲料で飲みます。お客様は全く気にならない方から、温度まで気にする方まで様々。健康に不安になればなるほど、また子どものことになると特に神経質になってしまうようです。ただ大丈夫、というのではなく理由をつけて説明できるようにすると納得してもらいやすいですね。

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