現場で役立つ季節の健康ネタ

蒸し暑くて目が覚めるのは背中のせい!?夏の快眠のワンポイント

もう「暑いですね」と聞かされるのにも飽きたという方も多いのではないでしょうか。近年では各地で35度超を記録することもめずらしくなくなりました。例年、最高温度にもなると40度に迫ります。もう体温超えどころの騒ぎではありません。

気温ばかりではなく、暑い夏には建物の中と外の気温差や、冷たいものの取り過ぎで内臓が弱ったり、眠れなかったり、食欲がなくなったりと、とくに病気とまではいかない体調不良を訴える方が多くなります。
それが熱中症などにも繋がっていくので、日頃から体調を整えることが大切です。

そこで健康の基本は睡眠！ということで、今回は特に夏の睡眠のお話です。

クーラーや扇風機を一晩中つけているのは良くない。
だいたいの方はそう考えますし、実際に一晩中クーラーをつけて眠ることで、夏バテや夏風邪になってしまう方もいるのです。

睡眠中は体温が下がりますので、クーラーをずっとかけ続けていると体温が下がりすぎてしまい、いろいろな不調に繋がります。

だからと言って、なにもしないで眠ると寝苦しくて、朝までに何度も目が覚めてしまう、という方も多いのではないでしょうか。

人間は平均で、一晩にコップ1杯、夏には2杯程度の汗をかくといいます。敷布団にはその約70％が吸収されることに。

発汗は就寝後１時間以内がもっとも多く、その時おふとんの中の湿度は80％以上にも達するそうです。
快適なおふとんの中の環境は「温度33℃・湿度50％」ですから、ずいぶんと不快指数が高くなるのがわかりますね。

敷布団の湿度が上がる⇒寝苦しくなり熱を逃がそうとして寝返りを打つ回数が増える⇒眠りが浅くなり、朝までぐっすり休めない、ということです。

つまり、敷布団には湿気がたまらない発散性のあるもの、肌に密着しないものが良い、ということになります。

これがなにかと言いますと、化繊ではなく天然素材、特に麻のパッドなどが最適ということになります。綿だと汗を吸収はしても、発散性に劣ってしまうのですね。

実は麻にはラミーとリネンの2種類があり、ラミーのほうが丈夫でコシが強くシャリ感があり、水分の吸収・発散性に優れています。

ヨーロッパで昔から用いられているリネンは、ラミーよりもしなやかでやわらかいのですが、水分の吸収・発散性はラミーに劣るそうです。
パッドなどの寝具にはラミー、パジャマなどにはリネンが適しているということでしょうか。

夜、どうにも寝苦しいという方は、一度麻の寝具を試してみてください！

ちなみに、暑いからといって短パンとシャツ1枚などの肌の露出が多い格好で寝ると、よけいに汗が吸収されずに体温調節がうまくいかないことがあります。
実は暑い夏だからこそ吸収・通気性に優れた綿や麻素材の長袖・長ズボンで寝るのがいいんだそうですよ。

寝ているあいだに多くの水分が失われるわけですから、寝る前に、できるだけ常温でコップ1杯の水を飲むようにしてください。水分が失われ血液濃度が高くなるために起こりやすくなる心筋梗塞や脳梗塞などのリスク軽減になります。水分補給が大切なのは、日中の熱中症だけのことではないのです。