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胃薬の服用タイミングは成分の薬理作用から考える
実はタイミングがあまり関係ない医薬品も多い?
「医薬品は決められた用法用量を守ることで効果が期待できる。」それは登録販売者のみなさんにとって当たり前のことですが、実は全ての医薬品の用法用量に薬理作用と関係のある根拠があるわけではありません。
例えば夕食後に飲むとされている医薬品は非常に多いですが、その中には「飲み忘れの可能性が低いから」という理由のものも少なくないのです。
しかし、胃薬の服用タイミングは薬効成分の薬理作用と胃酸の分泌など人体のしくみを考えて設定されていることがほとんど。市販薬の中でも特に服用タイミングを大切にすべき薬効群なのです。
まずは成分ごとの薬理作用をしっかりマスター
基本的には「制酸系は空腹時、H2ブロッカーと鎮痙薬は就寝前」と覚えます。
制酸剤に分類される〇〇マグネシウムや炭酸水素ナトリウムなどは、分泌された後の胃酸を中和し効果を示します。したがって胃に食べ物がなくなり、胃酸が胃を直接傷つけてしまう空腹時が最も効果的なのです。
これに対してH2ブロッカー(ファモチジン、ラニチジンなど)と鎮痙薬(ロートエキス、ブチルスコポラミンなど)は胃酸の分泌量を減らす作用があります。そのため、胃酸の分泌量が増える夜間に飲んでおくと効果的だとわかりますね。
次に含有成分がわかるようにする
成分それぞれの薬理作用を覚えたら、いよいよ、その商品にどんな成分が入ってるかを覚えます。覚える順番は購入頻度の高い商品と成分の種類が少ない商品を優先的に覚えるのがおすすめです。
なぜなら市販の胃薬には、総合感冒薬のようにたくさんの種類の成分が入っている商品が多いですよね。こうした複数の成分と効果を持つ商品は、症状に合わせて服用タイミングを調節できるため、覚えるというよりお客様に聞き取りをしながら一緒に決めていくほうが適しているからです。
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