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登録販売者ドタバタ劇場

硬い便、苦しい便秘症状。何種類もある便秘薬から登録販売者として何をどう選ぶ?

出そうで出ない…お腹が苦しい…気がついたらもう何日も便が出ていなかったり、出口に詰まっている感じがしたり、不快な便秘症状を持ったお客様は想像以上に多いです。困った時、まず頼りたくなるのが市販薬です。しかし、使い方を間違えると効果がないだけでなく、体に悪影響を及ぼす場合もあります。お客様に合った薬を選び、上手な使い方を説明できるように、登録販売者の皆さんがしっかりと勉強をしておきましょう。

便秘の種類には4タイプ!

便秘と言っても、原因はさまざまです。

病気による便秘、薬の副作用による便秘を除いて、一般的な便秘には、4タイプに分かれます。

①食事性便秘

②弛緩性便秘

③直腸性便秘(習慣性便秘)

④痙攣性便秘

①は、食事の量が少ないことが原因で便の量が少なくなる「食事性便秘」
医学的なものではなく、過度のダイエットや偏食などで起こりやすいです。

②は、高齢者に多い「弛緩性便秘」
寝たきりや運動不足などが原因で、腸の動きが鈍くなり、生じます。

③は、何度も便意を我慢したり、便秘薬を使いすぎて便意を感じなくなったりしておこる便秘は「直腸性(習慣性)便秘」。一過性の便秘に多いタイプです。

出口に近い直腸の部分に便がとどまってしまい、放っておくと便はどんどん硬くなってしまいます。その硬くなった便は内服薬ではなかなか柔らかくする事は難しくなります。

④は、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れてしまい、腸がうまく動かなくなる「痙攣性便秘」です。
便の形が、コロコロとしたウサギのフンのようになるのが特徴です。

症状別におススメしたい便秘薬

便秘薬の作用機序は4種類あります。しかし、市販薬のほとんどは「大腸刺激性」です。

メジャーなものから、マイナーなものまで4種類に大別されるので、解説していきます。

 

⑴大腸刺激性下剤→大腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を促進します。

☆ピコスルファート:大腸で細菌が作る酵素によって活性化され、大腸を刺激します。適量を使うことにより、腹痛、下痢になりにくいことが特徴です。小児にも使いやすい薬剤です。

☆ビサコジル:大腸を直接刺激して、しっかりとした排便効果を促します。注意点は、長期間の使用を避けることです。繰り返し使うと耐性ができ、薬を飲んでも効果が出にくくなってきてしまいます。効果を出すために、服薬量が増えて一度に何十錠も服用しても効果が得られなくなります。

⑵塩類下剤→代表される成分は、酸化マグネシウム。腸内でほとんど吸収されないため腸内の浸透圧が高まり、腸管の中に水分を引き込むことで、便を柔らかくして、自然な排便を促します。副作用が少なく、慢性的な便秘の治療や、妊婦、授乳婦にも使用でき、継続的に服用するような服用方法が多くなります。

⑶浸潤性下剤→成分はジオクチルソジウムスルホサクシネートです。硬い便の表面にくっついて、便の中に水分をしみ込ませやすくします。

作用は緩やかですが、習慣性便秘に効果が期待出来ます。

⑷膨張性下剤→成分はプランタゴ・オバタ種子です。腸管内で水分を吸収してふくらみ腸管壁を刺激するとともに、便を軟らかくするので自然な排便を促します。習慣性がないので、長期にわたり使用することができます。

市販薬は、圧倒的に⑴の大腸刺激性の成分を含んでいます。⑴に、⑶や⑷の成分混合されているものも多くあります。

覚えておいてもらいたいのが、⑴の大腸刺激性の代表的な成分は、センノシド、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなどのため、市販薬のパッケージに「植物性」「生薬由来」「優しい」などと書いてあることが多く、自然なお通じを促してくれる様に錯覚しがちですが、そうではありません。

上記の成分に加え、漢方(センナ、アロエ、ダイオウ)なども加えられることがとても多く、無理矢理排便を促す効果があります。

大きく分けて4種類の飲み薬タイプの便秘薬をご紹介しました。効果の早い順は、ビサコジル>ピコスルファート>漢方>塩類下剤腸内への刺激が優しいものは、浸透圧性下剤>膨張性下剤(>刺激が強め:その他の下剤)となります。お客様の要望、状況に合わせて選べるようになることが大切です。自店舗に置いてある下剤はどれがどの種類であるのか、確認しておきましょう。  

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