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本当に簡単?チューブ型クリームや軟膏の正しい塗り方

傷薬や虫刺され用薬などのチューブ型医薬品。からしやワサビなどチューブ型の食品もありますし、誰でも簡単に使えるため、わざわざ使用法を説明する機会は少ないですよね。しかし、医薬品ならではの守るべきポイントがいくつかあります。今回は見落としやすいチューブ型医薬品の正しい使い方について確認しておきましょう。

傷口に接触で菌の繁殖も?チューブの口を直接傷につけてはいけません

傷口には黄色ブドウ球菌などの細菌も繁殖しやすく、血液や浸出液といった体液も付着していることが少なくありません。そのため、チューブの口を直接傷口や患部に接触させることは厳禁。お客さまには、必ず清潔な綿棒や手に取ってから塗るように説明しましょう。

このような方法は傷口や患部を守るだけでなく、薬を守ることにもつながります。つまり、薬の全てに殺菌作用があるわけではありませんので、チューブの口に菌が付着してしまうとフタをしめ、保管している間に中で繁殖してしまうことがあるのです。

クリームや軟膏は1回で使い切るケースはまれですし、家族などと共用する場合が多いですよね。次に使うときには菌がたくさん繁殖した薬を傷口に塗りこんでしまう、ということにもなりかねません。

外界に存在する菌だけでなく、他人の体液中には感染性のウイルス等が含まれていることもありますので、絶対に直接チューブから薬を塗らないように説明してくださいね。

手で薬を塗る場合にはよく手洗いをして清潔にする

傷口や患部に直接チューブを接触させなくても、薬を一時的にとる手が汚れていては意味がありませんね。ケガをした直後の手当てなら傷口を流水で入念に洗い、薬を塗る手もしっかりと洗いましょう。

手に付着している常在菌は、普段手に付いているだけでは大きな問題になりませんが、傷を通して感染してしまうと最悪の場合死に至ることもあります。特に乳幼児や高齢者では菌などに対する免疫力が低いことも多く、注意が必要です。

可能であれば清潔な綿棒などを使って塗るほうが良いため、合わせておすすめしてみましょう。触ることで感染してしまう疾患の場合、患部が塗った手に広がってしまう危険があるので、ぜひ綿棒を勧めてくださいね。

いかがでしたか?塗り薬は手軽に使える医薬品ですが、注意すべきことはしっかりお客さまに伝えたいですね。長く薬を扱えば扱うほど自分にとっては常識になってしまうことが増えますが、常にお客さまの目線に立って医薬品の説明ができるようにしたいですね。

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