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持病を持った方が飲めないOTC薬。メジャーかつ、とても注意の必要な持病と薬の関係を解説!

持病を持たれているけれども、今の突発的症状に対してドラッグストアでお薬が買いたい! しかしどれが良くて、どれが使えないのか分からない、というお客様は多くいらっしゃいます。今回は、メジャーかつ持病として持っているお客様が多い3つの疾患に分けて説明していきます。

前立腺肥大症を持病に持つ方

まず、前立腺肥大症を持病に持つ方が服用すると病状が悪化する可能性が高いために服用できない成分に、『プソイドエフェドリン塩酸塩』『プソイドエフェドリン硫酸塩』があります。

医療用としても市販薬としても販売されている、市販薬→ブスコパン A 錠があります。これは抗コリン剤と呼ばれる分類で、鎮痙作用、消化管運動抑制作用、胃液分泌抑制作用、膀胱内圧上昇抑制作用などがあり、消化管、尿路や膀胱などの筋肉のけいれんや過度の緊張による痛みを抑えるという効能効果が期待されます。

抗コリン薬とは、副交感神経が抑制されることにより、薬効として期待する作用以外に期待しない作用も多いのが特徴です。そのため、様々な注意が必要な薬としても有名です。

医療用医薬品では「禁忌」として7項目記載されています。その7項目のうち疾患名として、出血性大腸炎、前立腺肥大、細菌性下痢を症状に持つ方とされています。

つまり、医師が処方する場合は通常避けられるという意味をもちます。

しかし、市販薬では、〈してはいけないこと〉という項目に、本剤による過敏症、同効薬や重複投与、抗コリン作用による視調節障害による機械や車の操作への注意が記載されている程度であるため、気がつかないことが多くなってしまっています。

書いてないからと言って、大丈夫というわけではないので、成分を確認してからお客様に販売するようにしましょう。

緑内障を持病に持つ方

抗コリン作用や交感神経刺激作用などの瞳を少し広げる成分は、眼圧を上げる可能性があります。

しかし、全ての緑内障のタイプでこれらの成分が服用出来ないのではなく、服用できる緑内障の患者さんもいらっしゃいます。

ですが、そのタイプを薬局内で確認したり、お客様本人が正確に把握できていない場合もあるため、全ての緑内障の方に、販売はお断りします。

抗コリン作用があるものに、抗アレルギー薬、抗不安薬、睡眠薬、かぜ薬、心臓の薬、気管支拡張薬などがあります。

交感神経刺激作用があるものに、カフェインなどが主にあり、ドラッグストアではカフェイン入り飲料で扱うことが多くなります。

登録販売者の皆様が市販薬を手にした時、注意書きの中に前立腺肥大の方に禁忌と書いてある場合、緑内障の方にも禁忌であると思っていただいても問題ないです。(ほとんど同じです)

喘息を持病に持つ方

喘息の方が服用すると、喘息発作が起きやすくなってしまう成分に、

インドメタシン、ケトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、フェルビナクを含む外用薬 などがあります。

これらは市販薬では全て外用薬となります。貼り薬、塗り薬とタイプは様々ですが、外用薬が使えないことを知らない喘息を持病に持つお客様も多くいらっしゃいます。

その為相談をしていただけない場合も多いですが、痛み止めをお客様に販売する際は、喘息をお持ちではないですか?などと一言お聞きするだけでも、とても大切な接客となります。

喘息をお持ちのお客様には薬剤師のいるドラッグストアや、病院などでもらえるロキソプロフェンの外用薬を販売しましょう。

今回は3つの持病について解説してきました。お薬を販売できるのか、できないのか判断するのはとても難しいことかと思いますが、どの成分がどういう作用を持っているという知識があれば、持病をお持ちの方にも対応しやすくなります。今回紹介した3つの持病をもつお客様は比較的多いので、販売する際に持病の確認を行うように心がけ、対応していただけたらと思います。

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