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成分ごとの作用時間で比べるアレルギー用薬

どんな薬効群でも商品によって含まれている成分が異なりますが、この成分の違い、商品提案にうまく利用できていますか? ぜひ利用したいのが作用時間。成分毎の作用時間を覚えておくと、お客様の希望にそった提案ができます。今回はアレルギー用薬の作用時間について考えてみましょう。

効果の立ち上がりが早い成分は?

商品パッケージや製薬会社のホームページに効果が出るまでの時間が明示されていなくても、成分の血中濃度が最大になるまでにかかる時間(Tmax)がわかれば予想することが出来ます。

効果発現には様々な要因が関わってきますが、単純に考えればTmaxが短ければ短いほど効果が早く出ると言って良いでしょう。

例えば、ストナリニ(佐藤製薬)に含まれるアゼラスチンは 0.6 時間と短いTmaxを持っていますので、服用から30分程度で効果を感じることができます。反対にエバステルAL(興和)に含まれるエバスチンはTmaxが5.2時間と長いため、製剤的な工夫がない限り素早い効果は期待できません。

1 日1 回服用! 持続時間の長い成分

とはいえ、薬は速く効けば良い、というわけではありませんよね。アレルギー用薬はくしゃみや鼻水といった不快な症状を和らげる効果がありますから、日中の仕事中はずっと効いているような持続時間も重要。そこで薬の持続時間を考えるために半減期(T1/2)を見てみましょう。

T1/2は薬の血中濃度が半分に減る時間を示し、長ければ長いほど効果の持続時間が長いと言えます。先ほどTmaxが長かったエバスチンはT1/2も18.5時間と非常に長いため、1日1回服用するだけで1日中効果が続きます。

また、アレジオン10(エスエス製薬)に含まれるエピナスチンもT1/2が9.2時間と長いため1日1回の服用で十分効果があります。成分のTmaxやT1/2は書籍や医療用医薬品の添付文書でも簡単に調べることができますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

とにかくすぐに効き目を感じたいなら点鼻薬も考える

お客様の中には、30 分だって待ちたくない!今すぐ効果を実感したい!という方もいますよね。こうした相談を受けた場合、内服薬ではなく点鼻薬などの外用薬をおすすめすることを考えましょう。

TmaxやT1/2を考えたとしても内服薬ではどうしても、服用後患部や中枢へ成分が到達するまでに時間がかかってしまいます。したがって、素早い効果の実感が第 1 目標であれば、患部へ直接成分を届けることの出来る外用薬が適しているのです。

例えばプレドニゾロン含有の点鼻薬では 5 分ほどで効果を実感できる商品もあります。内服薬以外でも問題ないかどうかを確認して、よりお客様の希望にあったものをおすすめしてみてください。

成分の違いは効果の強弱だけではありません。作用時間の差や副作用の出やすさ、お客様の病歴や体質によっても違いが出てきます。製薬会社独自の工夫で特徴を出している商品もありますが、成分の基本的な性質を把握するとお客様の求める商品も探しやすいので、時間のある時に調べて表にしておくのも良いですね。

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