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冷蔵保存の座薬と、常温保存の座薬の違い、使い方の違いを徹底解説!
座薬とはどんなもの?
熱を下げる効果は、粉薬でも座薬でも同じです。ただし、座薬は直腸から直接吸収されるため、効果が早く現れます。子どもが苦しそうで、早く熱を下げたいときは座薬を使うといいでしょう。また、粉薬を上手にのめないときや肛門の症状の時に、座薬を使うとよいでしょう。
直腸からの吸収で、肝臓を通過しないため、薬物の分解が少なく、内服剤のように胃腸内で分解されないため胃障害がほとんどありません。
さらに、座薬の吸収過程には他剤や食事などの影響がなく、効果は比較的一定で得られます。
その他、嘔吐やけいれんの場合にも使用できることや、内服しにくい様な、苦い・臭うような薬剤でも気になることはありません。
セルフメディケーションとして家庭で使用するには使用しやすい薬剤と言えます。
座薬の常温保存、冷所保存の違いは?
坐薬は基剤により、「油脂性坐薬」と「水溶性坐薬」に分けられます。
油脂性基剤には、半合成油脂性基剤のハードファットなどが用いられています。これは、融点が体温より低いため、直腸内で溶けて体に吸収させることで作用します。熱(体温)による吸収過程です。だいたい34〜39℃で溶け出します。
そのため、冷蔵庫で保存します。
一方、水溶性基剤にはマクロゴールやソフトゼラチンが用いられています。これらは、直腸内の水分を吸収して溶解することで、粘膜表面に広がり吸収、作用します。水分(体液)による吸収過程です。体温では溶けないように、50〜60℃に融点を設定してあります。
融点が体温より高いため、室温で保存できます。
座薬の使い方は?上手な使い方とは?
容器から取り出した坐薬は、先のとがった方から肛門に挿入していきます。
その場合、大人では横向きに寝た状態 乳幼児ではオムツを替えるときのように両足を上げた状態が比較的スムーズに入れることが出来ます。
もしうまく入らないときの対処法は、室温保存の座薬の場合、座薬の先に少量のワセリンやオリーブオイルを塗ると痛みもなく入れやすいです。
冷所保存の座薬の場合、手で少し温めてから容器から出すと、座薬の表面が少し溶けてぬるぬるしており、挿入しやすくなります。
奥まで入れないと出てきてしまうので、5分位ティッシュなどで肛門を押さえておくと出てきません。
座薬を使う時、お客様はどこかが痛い、高熱がある、体がしんどいなど、体調の不調度が高い状態が予想されます。
辛い症状を早く改善させたい。そんな時だからこそ、使い方を正しく、そしてより使い心地良く使っていただくためにもワンポイントアドバイスを忘れずに対応すると良いでしょう。
市販されている座薬の種類
①解熱・鎮痛作用のある座薬
成分名:アセトアミノフェン
効果発現まで30分以内
効果持続時間:4時間
②便秘解消作用のある座薬
成分名:炭酸水素ナトリウム
効果発現まで10〜30分
③便秘解消作用のある座薬
成分名:ビサコジル
効果発現まで3〜10分
がメインです。
解熱剤の座薬と内服薬、便秘薬の座薬と内服薬の併用は禁止されています。必ずお伝えしましょう。
②③の便秘薬は挿入後、比較的早く排便をもよおしますが、もよおしてから2〜3分はお手洗いに行くのを我慢し、横になって安静状態のまま我慢をしたあとにお手洗いに行くことがポイントです。
さらにワンポイントアドバイスとして、左を下にして横になっていた方が排便しやすいとも言われています。仰向けではなく、右か左(できれば左)を下にして横になった状態で安静にしましょう。
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