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現場で役立つ季節の健康ネタ

今年は欧州で大流行!厳重な注意が必要です~麻疹(はしか)~

2017年9月現在、ヨーロッパで麻疹の流行が拡大しています。特にイタリア(4000人以上)、ルーマニア(9000人弱)で大流行しており、旅行で各国を訪れる、麻疹にかかったことのない方は渡航する前に医師への相談が薦められています。

感染症の一つ「麻疹」

麻疹と言えば、2016年の国内での流行も記憶に新しいところですが、もともと日本では麻疹は「排除状態」であると2015年に世界保健機関で宣言されていますので、現状国内で発症する麻疹は、すべて海外から持ち込まれたウイルスということになります。
つまり、多くの若い日本のお医者様は、麻疹を実際に診察したことがないということなんですね。

麻疹のウイルスは感染力が大変強く、免疫のない人には100%感染すると言われています。その上、空気感染するのです。

麻疹の特徴とも言うべき発疹は、発症後4~5日以上経った後に出てきます。発疹が出る前までは風邪によく似た症状なので、自分が麻疹だと気づく前、診断がつく前には、すでに他人に感染しているという確率が非常に高いのです。

肺炎、中耳炎を合併することも多く、入院率は約40%と言われているそうですから、けして甘くは考えられない感染症です。

麻疹には治療方法がなく、対症療法での対応になります。感染の予防にはワクチンしかないと言われており、感染・予防接種の谷間にあたる10~20代の発症が増えているとのこと。

妊婦さんが感染すれば早産や流産のリスクが高くなりますので、特に厳重な注意が必要です。

ワクチン接種は行っていますか?

●2017年09月05日更新 ヨーロッパにおける麻しんの流行(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp/topics/2017/09051210.html

秋のシルバーウィークなどにヨーロッパ旅行を計画しておられる方もいらっしゃるかもしれませんね。

過去に感染したことがあるかどうかご自分で覚えておられない方は、ご両親などに罹患の経験があるかないかの確認もされておくことが良いかと思います。

罹患経験もワクチンの接種経験もない方、流行地域の方、医療現場で働く方、妊娠を希望される女性などは、早めのワクチン接種の検討も必要になります。

また、疑わしい症状が出ている場合は、まずはお電話にてかかりつけ医に相談することが必要です。いきなり小さなクリニックなど、感染症の対策のない病院に足を運ぶことは避けなければいけませんのでご注意を!

●麻しん(はしか)に関するQ&A(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/hashika/

必要以上に恐れないよう、麻疹についての正しい知識を得て、うつらないよう、うつさないよう、適切な予防、対処を心掛けておきましょう!

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