登録販売者.com

ログイン 無料登録

登録販売者ドタバタ劇場

ストレスなどの精神的原因に伴って眠れないお客様の訴えに、登録販売者が不眠解消を解説!

今回は、睡眠が摂れないと悩んでいる方に相談にのれるように、睡眠の大切さ、睡眠薬の種類、ドラッグストアで販売している睡眠改善薬について解説していきます。睡眠がとれなくて悩んでいるお客様は、数日間の症状の場合は特に、病院受診の敷居が高く感じ、まずはドラッグストアで相談しようと思う方が多くみえます。最初の窓口となるのは登録販売者の皆さんです。最初の相談に的確に答えることが出来るように、勉強していきましょう。

睡眠がとれないとどんなデメリットがあるの?

睡眠は全身機能において重要な役割を担っており、健康な状態を保つために1日6~8時間の睡眠を推奨しています。

睡眠がとれないと、疲労が取れないという事は誰もが経験したことがあるでしょう。この他、体重増加、ストレス増大、免疫力の低下、認知機能障害、将来的に認知症リスクの増大、気持ちの浮き沈み、血圧コントロール不良、慢性疾患の増大など、重大なリスクが隠れています。

睡眠薬の種類は?病院で処方される処方薬と市販薬の違い。

病院で処方される睡眠薬には、作用時間の長さによって4つに分類されています。

これらは、「眠れない」タイプによって使い分けられ、寝つきが悪いタイプには超短時間作用型か短時間作用型の睡眠薬を用いるのが一般的です。
また、夜中に目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまうタイプには、中間作用型や長時間作用型の睡眠薬が使われます。

市販薬は、処方薬とは異なり、個々の症状や状態に合わせた薬の配合にはなっていないため、慢性的な不眠症状というよりは、「寝つきが悪い」「眠りが浅い」といった一時的な不眠症状を解消するために利用されます。

市販薬の大きな特徴は、かぜ薬やアレルギー症状を抑える薬などに含まれる「抗ヒスタミン剤」の“眠気を催す作用”を利用しているということです。

脳の覚醒物質「ヒスタミン」の作用を抑えるため、眠気が起こりやすく、自然に近い眠りを導く効果があるとされています。

市販で販売されている睡眠改善薬とは?

①鼻炎などに使われてきた抗ヒスタミン薬である成分名:ジフェンヒドラミンの強い眠気を利用したドリエルなどの製品。一時的な症状の改善の為のお薬です。

これらは、風邪薬に同じ効能の成分が含まれおり、併用できないので注意が必要です。

②生薬やハーブを主成分とした穏やかな効き目の鎮静剤。ストレスや心身の疲労による不眠やイライラには漢方薬が効果的なこともありますが、こちらも一時的な症状に対応するものとなります。

※慢性的な不眠が続いている場合は専門医の診断・指示を仰ぎましょう。

眠気をもよおす作用のあるサプリメント

この他、睡眠サプリと呼ばれる成分があります。眠りやすくするように身体のバランスを整えるような作用を持っています。

⑴グリシン

アミノ酸の中で最も小さい構造を持ちます。魚介類に多く含まれている成分です。グリシンは脳の体内時計に作用して、睡眠のリズムをうまく調整する効果が期待できるので、不眠気味の方にオススメです。

⑵セントジョーンズワート

神経伝達物質の濃度を高め、気分を明るくする効果が期待できます。

セロトニンという、脳内で働く神経伝達物質の一つで、主な働きにリラックス作用があり、興奮や不安を抑制し、就寝前に摂取するとより効果的と言われている物質があります。

セントジョーンズワートは、このセロトニンの濃度を高める作用があります。但し、セントジョーンズワートは、一部の薬との飲み合わせが悪いため、薬剤師、医師に確認を取るように、お客様にお伝えする事が大切です。

⑶バレリアン

昔から鎮静薬として使われてきたハーブです。不眠の解消や、ストレス緩和などの効果が期待されます。しかし、バレリアンも薬との飲み合わせに注意が必要であるため、薬剤師、医師に相談するように、お客様にお伝えしましょう。

市販薬の睡眠作用のあるお薬について説明してきました。睡眠不足は様々な病気を引き起こすことが分かっているため、いかに自分に合った方法で睡眠を十分にとるかが重要なポイントです。慢性的な睡眠不足は基本的に病院への受診勧奨ですが、一時的な不眠には、処方箋医薬品、いわゆる睡眠治療薬を服用しなくても、市販薬がきっかけとなり、睡眠がとれるようになる場合も多くあります。眠れないと訴えるお客様の最初の窓口役になる登録販売者の皆さんが、不眠がいつから始まったか、どの様な状況なのかを聴取し、適切な判断を促すことが大切です。

arrow_drop_up