登録販売者ドタバタ劇場
- ホーム
- 登録販売者、採用の現場から
- 登録販売者ドタバタ劇場
- インフルエンザにも効く?漢方薬・麻黄湯の効果について解説
インフルエンザにも効く?漢方薬・麻黄湯の効果について解説
麻黄湯の成分と特徴について
麻黄湯には以下の有効成分(生薬)が含まれています。
- 麻黄(マオウ)…発汗作用や鎮咳作用があります。
- 桂皮(ケイヒ)…麻黄の働きを助けて発汗を促します。
- 杏仁(キョウニン)…麻黄の働きを助けて咳や痰を鎮めます。
- 甘草(カンゾウ)…炎症を抑える働きがあります。
麻黄湯はこれらの生薬の働きによって、発熱、頭痛、鼻水、鼻づまり、咳、痰、節々の痛みなどの風邪の諸症状を効果的に和らげることができます。
また、麻黄湯の成分の桂皮はウイルス感染を抑制する効果があるとの報告があり、インフルエンザに対しても有効とされています。総合感冒薬のように眠気を起こす心配もなく、2歳以上のお子様から服用できる点もメリットとなります。
麻黄湯と他の薬との飲み合わせ
麻黄湯に含まれる生薬のうち、麻黄(マオウ)と甘草(カンゾウ)については他の薬との飲み合わせに注意が必要です。
麻黄(マオウ)は体内でエフェドリンと呼ばれる物質に変換されて生理活性作用をもたらします。エフェドリンには気管支を拡張して咳を鎮めたり呼吸を楽にしたりする作用があることから多くのかぜ薬、鎮咳去たん薬、鼻炎用内服薬などに含まれており、これらと併用しないように注意が必要となります。
また、麻黄に含まれる甘草(カンゾウ)を多量に摂取すると、稀に偽アルドステロン症と
呼ばれる、高血圧や筋肉痛などの症状を伴う副作用が生じる可能性があります。総合感冒薬や漢方薬には麻黄や甘草を含むものも多数あるため、こうした薬とも併用しないように注意する必要があります。
麻黄湯服用時の注意点
麻黄湯は漢方薬の中では比較的効き目が強いとされており、人によっては服用に注意が必要になります。特に、麻黄(マオウ)は体内でエフェドリンと呼ばれる生理活性物質に変化し、心拍数増加・血圧上昇などの作用を引き起こす可能性があります。以下の事項に該当するお客様には場合によっては事前に医師に相談するようにご案内してあげましょう。
- 現在、医師の治療を受けている
- 妊娠している
- 胃腸が弱い
- 発汗傾向が強い
- 65歳以上
- 薬の服用により、発疹・発赤、かゆみなどを起こしたことがある
- 排尿困難がある
- 高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害がある
授乳中の方は問題なし
授乳中の方が麻黄湯を服用することは問題ありません。総合感冒薬には授乳中の服用に注意が必要な薬が多いため、こうしたお客様にとって麻黄湯は良い選択肢となるでしょう。
麻黄湯の副作用は?
麻黄湯の代表的な副作用としては、発疹・発赤、かゆみ、吐き気、食欲不振、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感などが報告されています。万一、服用中にこうした症状が見られた場合は、ただちに服用を注意し、必要によっては医療機関を受診するようにご案内するようにしましょう。
関連記事
-
登録販売者ドタバタ劇場
夏に向けてダイエット!?防風通聖散製剤について徹底解説!
防風通聖散の成分と特徴 防風通聖散には以下の18種類の生薬が含まれています。 カッセキ、オウゴン、カンゾウ、キキョウ、セッコウ、ビャクジュツ、ダイオウ、ケイガイ、サンシシ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、ハッカ、ボウフウ […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】風邪に効く漢方処方を覚えよう
漢方処方における体質表現について 漢方処方を個別に説明する前に、漢方処方独特の体質表現について確認しておきましょう。 漢方の適応となる体質傾向は、一般的に以下の5段階で表現されます。 漢方処方それぞれがどんな体質、どの程 […]
-
登録販売者になりたい人へ
登録販売者試験にも良く出る! 風邪の時に使用する漢方薬を解説!
麻黄湯 構成生薬 麻黄(マオウ) 桂皮(ケイヒ) 甘草(カンゾウ) 杏仁(キョウニン) おすすめの風邪タイプ 体力が充実している方で、風邪の初期(悪寒で汗をかいておらず、強い発熱、ひどい関節痛や頭痛を伴うもの) 注意点 […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】咳や痰に用いる漢方処方を覚えよう
咳や痰に用いる漢方処方:半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ) 配合生薬:半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、厚朴(コウボク)、蘇葉(ソヨウ)、生姜(ショウキョウ) 半夏厚朴湯は体力「中等度」の人に用います。古くから「気剤」と […]
-
登録販売者ドタバタ劇場
花粉症の辛い鼻水にお勧め!【漢方薬】小青竜湯の効果やメリット
小青竜湯の成分 小青竜湯は、半夏(ハンゲ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、五味子(ゴミシ)、 細辛(サイシン)、芍薬(シャクヤク)、麻黄(マオウ)、乾姜(カンキョウ)といった生薬からなる漢方薬です。これらの生薬の協調 […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】主にのどの痛みなどに用いる漢方処方
主にのどの痛みに用いる漢方処方:桔梗湯(キキョウトウ) 配合生薬:甘草(カンゾウ)、桔梗(キキョウ) 桔梗湯は大変シンプルな漢方処方で、配合生薬は2つしかありません。体力に関わらず広く用いることができ、喉が腫れて痛み、と […]