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こんな風に誤解されている市販薬の効能!?

よく誤解されている市販薬の効能として事例を挙げて取り上げてみます。 例えば「チョコラ BB」といえば口内炎治療薬、と思っている方が多いのではないでしょうか。また日本の家庭薬の定番とも言える「オロナインH軟膏」。一昔前までは、どのご家庭にも常備されていたのではありませんか?これらは意外と効能が誤解されて使用されているのです。

どんな口内炎でも「チョコラBB」で治せる?

これはテレビCMの影響や、ビタミンB2が欠乏すると「口内炎ができやすくなる」と健康雑誌などで、さかんに言われてきたためです。

ただ、現代の食生活を考えると、ビタミンB2不足で口内炎を発症するケースは、多くみても10~20%と推定されます。

口内炎の多くは、小魚などの骨が口の中に刺さったり、頬の内側の粘膜を誤って噛むなどしてできた傷に、口の中の常在菌が繁殖して炎症が起こったものとされています。

したがって、どんな口内炎でもチョコラ BB で治せるわけではありません。
「チョコラBBプラス(第3類医薬品)」のホームページでは、「肌あれ、にきび、口内炎、口角炎、口唇炎、かぶれ、ただれ、湿疹、皮膚炎、舌炎、赤鼻、目の充血、目のかゆみの改善」と効能をうたっています。

チョコラBBは「皮膚のトラブル全般を改善する内服薬」

チョコラBBは「口内炎の治療薬」と言うより、「皮膚のトラブル全般を改善する内服薬」と言うべきなのでしょう。
口の中の傷が元でできた口内炎はふつう、炎症を起こす前に細菌を唾液で洗い流すことが多いのですが、疲労やストレスにより唾液の量が減少すると発症しやすく、悪化すれば潰瘍化するケースも認められます。

治療は、おもにうがい薬と塗り薬が用いられます。口中の細菌を抑える殺菌成分が配合されたうがいで20秒ほど傷を洗うと、細菌を3分の1程度まで減らすことも可能です。ただし傷があれば、殺菌成分により正常細胞までもダメージを受けてしまうので、うがい薬よりも水でうがいをしたほうがよいでしょう。

ただれ、かぶれにはオロナインH軟膏が効果的?

子どもたちがすり傷を作ったり、軽いやけどを負ったりすると、お母さんがオロナインH軟膏をやさしく塗ってくれる。そんな光景が見られました。
製造元のホームページを調べると、「家族の皮膚トラブルに…殺菌効果に優れたヘキシジングルコン酸塩配合の皮膚疾患治療薬です」とありました。つまりオロナインH軟膏は消毒薬だったのです。

効能は「にきび、はたけ、やけど(かるいもの)、ひび、しもやけ、水虫、たむし…」など、じつに12疾患にもおよびます。

ただ、「湿疹(ただれ、かぶれ)には使用しないでください」とも書かれています。要は、細菌感染には効果があるが、炎症を抑えることはできないということなのでしょう。

チョコラBBをどんな口内炎にも効くと思ったり、オロナインH軟膏を皮膚疾患の万能薬と思い込み、あせもや湿疹にもせっせと塗り込み、悪化させてしまう人がいらっしゃるようです。 これらの事例に限らず、薬を安全に使うためには、その効果・効能をきちんと把握することが大切です。

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