登録販売者.com

ログイン 無料登録

登録販売者ドタバタ劇場

こんなときにはダメ!ステロイドが使えない状態

市販薬の中には「ステロイド配合」や、逆に「ステロイドは入っていません」といった文章がパッケージにかかれた商品がありますよね。なぜステロイドを特別に記載するのでしょうか。今回はステロイドが適さない人や状態についてみていきましょう。

よく効く反面、副作用も多いステロイド

ステロイドは、副腎皮質という場所(腎臓の上部に小さく乗っている臓器が副腎です)から分泌されるホルモンを真似て合成した医薬品で、ステロイド骨格という構造を持っているためこのように呼ばれます。

もともと体内では、ごく少量でさまざまな調節を行っているホルモンですので、薬として使用するときにも多彩な薬効と副作用がみられます。

よく用いられる作用としては炎症を抑える抗炎症作用、アレルギー反応を抑える抗アレルギー作用、体内のホルモン量の補充、抗がん剤を服用している患者さんの吐き気止めなどがあります。

副作用として代表的なのが、感染症の誘発、悪化、糖尿病の悪化、消化管障害で、他にも骨粗しょう症の誘発など様々なことがおこります。

ステロイドを使うべきでない人や状態

多くの副作用が発現する可能性のあるステロイドですが、ちょっとした傷や口内炎には他の医薬品が太刀打ちできないほどすばらしい効果を示します。したがって、使うべきではない人や状態を知り、該当しない場合に自信を持っておすすめしましょう。

まず、代表的な副作用にも挙げた感染症がある場合。適切な診断と処置がすぐに行える場合を除いて、感染を起こしている傷には、ステロイドは使ってはいけません。これは免疫作用が弱くなってしまうためで、衰弱し、感染しやすくなっている人にも使わないほうが良いでしょう。

次に糖尿病を基礎疾患として持っている人。副腎皮質ホルモンはもともと血糖を上昇させる作用があるため、綿密な血糖コントロールを行わなければならない糖尿病患者にはおすすめできません。また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療中のお客様や妊婦にはおすすめしないほうが良いでしょう。

市販薬でステロイドが含まれているのは、ほとんどが塗り薬などの外用剤です。医療用に比べて作用が緩和なものも多く、すぐに重大な副作用が発現することは考えられません。しかし、健康な人でも1週間以上の連続的な使用は避けるように説明しましょう。

ステロイドは「なんとなく怖い」「副作用が強い」といったマイナスイメージを持っているお客様も多いですよね。しかし、適切に使えば劇的に症状が改善するほどの効果をもった薬でもあります。正しい知識を伝え、お客様に安心して使ってもらえるよう説明できると良いですね。

arrow_drop_up