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この薬でコンプレックス解消?

薄毛やハゲに悩む日本の男性は多いのですが、欧米のハゲに対する考え方は、かなり違うようです。 たとえば、映画「ダイハード」などで知られるブルース・ウィリスさんや、フランスの俳優ジャン・レノさん。彼らはともに禿頭(とくとう)ですが、男性ホルモンをプンプン振りまく「もっともセクシーな俳優のひとり」と欧米女性には受け止められています。

朗報!ハゲを治せる、前立腺肥大症の薬がある?

男性ホルモンは、文字どおり、「男性を男性たらしめるホルモン」です。その働きが強いと男性的な魅力を高めるいっぽう、薄毛になったり、ハゲたりすることがわかっています。

ブルース・ウィリスさんやジャン・レノさんがハゲているのは、イメージだけではなく、実際に男性ホルモンの働きが強いからなのかもしれません。

男性ホルモンは、最近増加している「前立腺肥大症」の発症にも関与しています。前立腺は、排尿や生殖にかかわる男性特有の臓器です。この臓器が加齢や男性ホルモンの影響で肥大すると、頻尿、
尿漏れ、排尿困難、残尿感、尿閉などの症状が現われます。前立腺肥大症の主な治療法は、根治を目指す手術療法と、薬で症状を緩和する薬物療法です。

薬物療法に使われる薬にはさまざまな種類がありますが、男性ホルモンの働きを抑制する「デュタステリド」という薬に、なんと育毛効果という、薄毛の方にはうれしい副作用が確認されています。

この薬は、男性ホルモン(テストステロン)がより活性の高いジヒドロテストステロンという物質へ変換することを防ぐことで、肥大した前立腺の縮小と排尿障害を改善します。男性ホルモンの働きを抑えれば、薄毛やハゲ治療に対する効果も同時に期待できるというわけです。

意外!まつ毛が伸び、アイラインが濃くなる魔法の目薬がある?

「まつ毛貧毛症」治療薬の「ラティース」という目薬が、2008年に世界で初めてアメリカで承認されました。

まつ毛貧毛症とは文字どおり、まつ毛が貧弱で十分に発育しない症状ですが、この薬を塗るだけで、まつ毛が伸び、アイラインがくっきり濃い色になるということです。

ラティースは、緑内障などの眼圧下降を目的に開発された「ルミガン(成分はビマトプロスト)」とまったく同じ成分で、緑内障治療でルミガンの点眼を行った患者さんのまつ毛が発育したことに着目、製品化されました。

したがって、まつ毛の育毛をうたう育毛剤はほかにもありますが、この薬は唯一、医師の処方が必要な医療用医薬品に分類されます。

ラティースとルミガンとの違いは、まつ毛に薬を塗る刷毛(はけ)がついているだけなのに、価格は3倍も高くなります。それでも、まつ毛の薄毛に悩んでいる方にとっては、うれしい副作用というわけでしょう。

これは、血管拡張薬として開発された「ミノキシジル」に育毛効果が発見され、今は「リアップ」という育毛剤になっているのと同じ流れです。

使い方は簡単です。毎晩寝る前に1滴まつ毛に塗るだけで、ビマトプロストがまつ毛のヘアサイクルを延長し、長くし、太くしてくれます。さらに、メラニン色素を活性化させて、まつ毛の色を濃くすると考えられます。

効果がはっきり現われるまで、少なくとも2ヶ月以上、継続して塗布する必要があります。臨床試験(16週時点)では、78%の方に有意な効果が認められる一方、使用を中止すると、数週間から数ヶ月で徐々にもとのまつ毛に戻るということです。

デュタステリドの健康保険上の適応症は前立腺肥大症のみ。薄毛治療で健康保険は使えないのでご注意ください。 また、ラティースは日本ではまだ認可されていません。現在は美容外科の医師が、個人輸入で患者さんに処方しています。つまり自費診療(健康保険適用外)ですから、治療を受けるためには、それなりの出費が必要となります。

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