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お客様の『処方薬と同じの下さい!』同じ薬が無い時に対応する方法。
降圧薬を飲んでいるが、同じものありますか?
お客様が飲んでいるお薬が降圧薬だった場合。まず、降圧薬とは、高血圧の方が血圧を下げるために飲むものです。
標準値は、140/90(持病のある人は130/80)ですが、近年ではその人その人によって血圧の目標値が違います。
降圧薬で有名なものは、
- ⅰ.直接血圧を下げる作用のある、成分名が”〜ピン”という語尾で終わるもの。
- ⅱ.利尿作用によって血圧を下げる薬。成分名が”〜チアジド”や”〜ィド”や有名なのがスピロノラクトン[商品名アルダクトン]。
- ⅲ.ARB製剤と呼ばれており、近年とても効果のある薬として注目されているもの。成分名が”〜サルタン”
- ⅳ.ACE阻害薬と呼ばれる、ARBの1つ前に開発されたお薬。成分名が”〜プリル”
まだ他にもありますが、大まかにこれくらいはあります。
お客様に血圧を下げる薬が欲しいと言われた時は、『血圧のコントロールは薬のタイプによっても、お客様自身の体質によっても異なるため厳重な管理が必要なので、病院の医師の元でしかお渡し出来ないお薬です。ただ、近年お茶等で血圧のコントロールができるというものもいくつかあります。その様なものを合わせて服用することは問題ありません。』と、このように返答しましょう。
例えば降圧薬を何種類も併用していそうな方には、塩分を摂り過ぎない食生活へのアドバイスを加えたりしてみましょう。
軽度の高血圧患者さんだとⅰ.やⅱ.のみという方も多くいらっしゃいます。その様な方にはトクホなどの血圧コントロールを謳っているような健康食品をお勧めすることはとても良いことです。
不眠症治療薬を飲んでいるが、同じものありますか?
睡眠薬(処方薬)は、向精神薬の一種で、不眠状態の解消や入眠の手助けを目的として開発された薬です。睡眠薬の中でも作用時間が短いものは、睡眠導入剤と呼ばれます。
医師から処方されるものもあれば、手軽に使える向精神薬以外の市販のものもあります。どちらも、緊張状態が緩和され、睡眠を誘発したり、持続させる効果が期待されます。
症状の特徴や頻度に応じて処方する薬が処方薬です。
睡眠薬は「ベンゾジアゼピン系」の薬がメインです。このタイプの薬には、神経の過度な興奮を抑えるGABAという脳内神経伝達物質を増やし、脳の興奮や覚醒を抑える働きがあります。 代表的な睡眠薬には、トリアゾラム、ニメタゼパム、クアゼパムなどがあります。
全国の薬局やドラッグストアなどで購入できる薬を「市販薬」と呼びます。処方箋薬と区別するために「睡眠改善薬」と呼ばれることもあります。
処方薬とは異なり、個々の症状や状態に合わせた調剤にはなっていないため、慢性的な不眠症状というよりは、突発的な寝つきが悪い状態や、眠りが浅い状態を和らげるために利用されます。
大きな特徴は、風邪薬や抗アレルギー薬等に含まれる、抗ヒスタミン剤による眠気を催す作用を利用しており、自然に近い眠りを導く効果があります。
お客様がいわゆる睡眠薬(処方薬)を服用している場合にも関わらず、眠れないので市販薬で追加したい、もっと強いのが欲しい等の訴えがあった場合、まず「処方薬は睡眠を改善させ、治療効果のあるものですが、市販薬は風邪薬に含まれるような眠気を使うものなので、とても優しい作用しかありません」という事をお伝えし、現在服用中の処方薬の飲み方について伺います。
睡眠薬は服用後30分程度が効果のピークであり、服用してから明るい部屋にいて、20〜30分後にようやくベッドに入るようでは遅い場合が大半です。
枕元でお薬を飲んで、その後30分は携帯等も見ず、目をつぶっていることが効果を十分に発揮させるポイントになります。
服用方法を誤っており、眠れないお客様は多くいらっしゃいます。
以上を確認し、処方薬を服用中の方には市販薬は勧めず、受診勧奨を行なって下さい。
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