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「カゼをひいた」というお客様は本当に風邪?受診を勧めた方が良い?

年間通してもっともご案内する回数が多いのはやはり風邪薬。商品数が多いため専門家でも迷ってしまいますが、時には市販薬を販売せずに病院への受診を勧めたほうが良い場合もあります。今回は市販薬で対応できる場合とそうでない場合の見分け方をご紹介します。

たかが風邪とあなどらず、重病との見極めが必要

昔から風邪は万病の元、と言いますがまさにその通りで、この言葉には2つの意味があります。1つは、風邪をひいて体力や免疫力が落ちたときに他の重い病気にもかかりやすくなるという意味。もう1つは重い病気の初期症状は風邪とよく似ていることが多いという意味です。

例えば、放置してしまうと死に至る危険もある急性肝炎は発熱や倦怠感などの風邪によく似た症状(感冒様症状といいます)から始まります。また、薬の副作用で感冒様症状がみられることも少なくないため、はじめからただの風邪と決め付けずにじっくりとお客様の症状や訴えを聞くようにしましょう。

こんな症状が見られるようなら受診をおすすめする

まずは治療中の疾患であれば主治医への受診を勧めます。次に

  • 39℃以上の熱がある、もしくは5℃以上の高熱が3日以上続く
  • 咳が夜間~朝方にかけた時間帯に限定される、もしくは咳をしたときに胸が強く痛む
  • 痰に多くの血が混じる
  • 喉が激しく痛み、ひどく腫れている

などの症状があれば受診を勧めましょう。

また一般に、鼻水が一緒に出ていれば重病の確率は低いと言われ市販薬でも対応できる例も多いようです。しかし黄色や緑色の鼻汁によって呼吸がしづらく、著しく日常生活へ支障がある場合受診を勧めてみても良いかもしれません。

年齢、性別によっても見るべき点は違う

高齢の方は免疫力の低下で高熱が出にくくなったり、女性はホルモン周期によって体調が大きく変わったりします。年齢や性別によっても気をつけるポイントは変わるので「カゼをひいた」のは誰なのかをきちんと把握することが重要。

特に小さなお子様の場合、お母様など普段から一緒にいることの多いご家族の直感が大きなヒントです。「いつもは風邪をひいてもこんなにむずがることなんてないのに…」などのつぶやきは聞き逃さないで。どんなにベテランになってもその子の特徴をよりよく知っているのはご家族です。「普段の風邪と違うと感じることはありますか?」と質問し、ようすが大きく異なるようであれば受診をお勧めしましょう。

風邪かそうでないかの判断は難しいもの。しかし受診の結果、風邪であっても問題ありませんので、判断に迷ったら受診を勧めましょう。安易に風邪と決め付けてしまうよりはお客様のためにもなりますので、自分なりに受診勧奨をするラインを決めておいてもいいかもしれませんね。

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