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多くの種類がある便秘薬、あなたは商品の使い分けを説明できますか?
登録販売者試験の過去問(平成30年 京都府 午前)
早速、問題を見ていきましょう。
整腸薬、止瀉薬、瀉下薬とその有効成分に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
- 整腸薬、止瀉薬では、医薬部外品として製造販売されている製品はない。
- 木クレオソートは、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的とし て用いられることがある。
- センナは、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに、糞便を柔らかくすることを目的として用いられる。
- ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
(ヒント1、正 正 誤 正 2、 正 正 誤 誤 3、 誤 正 正 誤 4、 誤 正 誤 正 5、 誤 誤 正 誤)
http://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigozen.pdf より一部改変して抜粋
浣腸薬における注入剤の用法等に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
- 注入する薬液は、冷やしておくと不快感を生じることが少ない。
- 薬液を注入した後は、長く排便を我慢すると薬液により直腸粘膜が損傷するので、すぐに排便を試みる。
- 半量を使用する用法がある場合は、残量を再利用すると感染のおそれが あるので使用後は廃棄する。
- グリセリンは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。
(ヒント 1、 正 正 誤 誤 2、 正 誤 正 正 3、 誤 正 誤 誤 4、 正 誤 正 誤 5、 誤 誤 正 正)
http://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigozen.pdf より一部改変して抜粋
解説
第35問は成分の種類とその作用についての問題であり、第37問は浣腸に関する問題でした。では、解説していきましょう。
35問解説
a 整腸薬、止瀉薬では、医薬部外品として製造販売されている製品はない。
→「~ない。」という表現はテストでありがちな問題ですね。絶対的な否定は 誤 である可能性が高いです。また、「人体に対する作用が緩和なもの」が医薬部外品であることから整腸剤なんかは作用が緩和そうだなー。という感じで答えを決めても良いと思います。現場で働いている方は、何が医薬部外品なのか確認してみましょう。
b 木クレオソートは、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的とし て用いられることがある。
→ドイツで発見されたこの成分は、その当時は化膿症の治療や外用消毒薬として使用されていたこともあります。よって、殺菌効果もあります。ただし、腸にたどり着く成分量は少ないので、細菌性の下痢の場合はしっかりと便として菌を排出してしまうことが大切です(下痢を止めない方が良いです)。ひどい場合は病院に行くように受診勧奨しましょう。
c センナは、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに、糞便を柔らかくすることを目的として用いられる。
→センナは腸を刺激して便の排出を促すことは主な目的です。問題文は膨張性の成分(カルメロースナトリウム)です。
d ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
→腸内細菌の酵素によって分解され、腸を刺激するような成分に変化します。
37問解説
a 注入する薬液は、冷やしておくと不快感を生じることが少ない。
→おしりに冷たいもの…想像しただけで不快ですね。直腸など体の中心に近い部位は体温が高くなっています。よって、冷やす必要はなく室温で問題ないです。温めすぎてしまうと逆に刺激が強すぎるとも言われますので、人肌程度にしましょう。
b 薬液を注入した後は、長く排便を我慢すると薬液により直腸粘膜が損傷するので、すぐに排便を試みる。
→グリセリン浣腸は数秒で効果がでます。しかし、3分程度は我慢することが望ましいとはされています。その為、この問題は 誤 でしょう。 ただし、実際の現場では患者に3分も我慢させることは苦痛をもたらすこともあるため、「辛い場合は排便しても良い」と伝えると良いでしょう。
c 半量を使用する用法がある場合は、残量を再利用すると感染のおそれが あるので使用後は廃棄する。
→ 記述のとおり
d グリセリンは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。
→ 記述のとおり
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