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「販売時のコミュニケーションが大切」とは言うが、求められるコミュニケーションとは何か?
会話だけがコミュニケーションというのか?
コミュニケーションという言葉を聞くと、なんとなく「言葉による意思疎通」をイメージしてしまう方もいると思います。
しかし、コミュニケーションは言葉だけで行われるものではありません。
元々、コミュニケーション( communication )の語源はラテン語の「communis」であり、これは「分かち合う」、「共有する」といった意味です。
すなわち、相手と何かの情報を「共有すること」ができたのであれば、それはコミュニケーションであり、非言語的なものも含まれます。
非言語コミュニケーションの例
例えば、咳が出ているのにもかかわらず、総合感冒薬の鼻炎に特化した商品を購入しようとしている場合は、「商品を間違えてしまったか」「併用している薬があるかもしれない」と情報を得ることができると思います。
もし併用薬があり、成分が重複してしまっている場合は、過剰投与を防止できるかもしれません。
他にも、依存性のある医薬品を購入する際に落ち着きがなかったり、手が震えているような状況の場合は、薬物依存の可能性があるという情報を得られるなど、非言語コミュニケーションもお客様の状態や様子を知る為の重要な方法です。
お客様と会話する際は、どのような表現を用いるか?
お客様との会話で気を付けたいのが、専門的な表現を使うか否かということだと思います。
登録販売者試験の勉強中は難しい表現を使いたいところかもしれませんが、なるべく専門的な知識がない人でも分かるような表現をするように気をつけましょう。
「この総合感冒薬は、鎮咳成分と解熱鎮痛薬が含まれていることが特徴です。」「お客様は併用薬はありますか?」など、専門的な表現ならべて会話をしないように気をつけてください。
専門的な表現と分かりやすい表現
- 解熱鎮痛薬 → 熱を下げる薬、痛みをとる薬、熱を下げたり痛みをとる薬(お客様の主訴で説明を変えてもよいでしょう)
- 鎮咳薬 → 咳を抑える薬
- 去痰薬 → 痰をきる薬
- 併用薬 → 一緒に飲んでいる薬
ある医薬品を継続的に購入するお客様とのコミュニケーション
勤務していると「あの人いつも〇〇を買いにいらっしゃるな」という場面に出くわすことが多いのではないでしょうか。
当初はお声かけしたこともあったが、最近は声をかけていないというのはよくある話だと思います。
ただ、たとえ継続購入するお客様だとしても、なるべくコミュニケーションをとるという配慮は忘れてはいけません。
例えば、頭痛で痛み止めを購入していると考えられる場合を考えてみましょう。
そのお客様が1ヶ月に10回以上服用しているような頻度で来局される場合は、痛み止めの過剰服用による「薬剤性頭痛」も考えられます。
そのような場合は、今一度お声掛けをするべきです。継続的にある商品を購入しに来てくださる方ほど、コミュニケーションをとる配慮をしましょう。
コミュニケーションをとりたがらないお客様の応対方法
「話しかけないでほしいという雰囲気」や「急いでいるから」等といった理由でコミュニケーションをとりたがらない方も多くいらっしゃいます。
もちろん、お客様のことも尊重する必要がありますが、登録販売者として伝えるべき情報は伝えねばなりません。この場合はどうすれば良いでしょうか。
一つの方法ですが、手を動かしながら(商品をスキャンしながら)必要な情報を渡すことが良いと思います。業務をしながらコミュニケーションをとれ、短い時間でも大切な情報を簡潔に伝えられるようコミュニケーション技術を磨きましょう。
問題 (H30 京都府登録販売者試験問題)
一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
- 医薬品を使用する購入者本人の状態や様子全般から得られる情報も、状況把握につながる重要な手がかりとなる場合がある。
- 医薬品の販売に従事する専門家からの情報提供は、専門的な表現で行うよう努める必要がある。
- 同一の一般用医薬品を継続的に購入する者に対しては、その販売の都度、コミュニケーションを行うよう配慮する必要はない。
- 購入者が情報提供を受けようとする意識に乏しい場合でも、可能な情報 提供を行っていくためのコミュニケーション技術を身につけるべきである。
https://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigozen.pdf
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