登録販売者になりたい人へ
- ホーム
- 登録販売者、採用の現場から
- 登録販売者になりたい人へ
- 【登録販売者試験対策】カフェイン含有医薬品のリスクを知っていますか?知っておきたいポイントを解説
【登録販売者試験対策】カフェイン含有医薬品のリスクを知っていますか?知っておきたいポイントを解説
カフェインとは
そもそもカフェインとはアルカロイドという化合物の一種で、以下のような作用があります。
- 覚醒作用
- 血管拡張作用
- 交感神経刺激(基礎代謝促進)作用
- 胃酸分泌促進作用
- 利尿作用
現代でカフェイン含有として最も有名なのはコーヒーでしょう。現代では嗜好品として摂取するコーヒーですが、もともとは薬として利用されてきた歴史を持っています。
コーヒーが発見されたのは今から1000年程前。エチオピアの高原地帯にはコーヒーが自生しており、その実を食べた羊が興奮状態になったのを発見してその作用が注目され始めました。
今のように焙煎して飲むようなことはなく、野生のコーヒーの種子を煮出したその汁を飲んでいたため、今のコーヒーとは全く異なるものだったようです。
カフェイン含有医薬品
カフェインそのものは今でも医薬品としても流通しており、カフェインが主役の一般医薬品としては眠気防止薬があります。
眠気防止薬はカフェインの交感神経刺激作用によって眠気や疲労感をとり、頭の重い感じを和らげることが期待されています。
服用後、数十分もすれば効果が現れ、2、3時間は効果が継続します。さらなる疲労感軽減を目的にビタミンB群も併せて配合されている製品も多数あります。
また、総合感冒薬や解熱鎮痛薬にもカフェインが配合されているのは知っていますか?
外箱に記載されている成分名としては「無水カフェイン」として配合されています。「眠くなりにくい」と謳っている製品には、ほぼカフェインが配合されていると思ってもよいかもしれません。
これもカフェインの交感神経刺激作用を利用したものになります。併せて疲労感を軽減させることから、薬全体の有効性を高めることも期待されています。
カフェインの一般的な含有量
カフェインは医薬品だけでなく、コーヒーを初めとする多くの飲料に含まれています。一般的な含有量は以下のとおりです。(いずれも100mL中の含有量)
- コーヒー:60 mg
- 玉露:160㎎
- 煎茶:20㎎
- 紅茶:30㎎
- コーラ飲料:10~13mg
- エナジードリンク:32~300㎎
特にエナジードリンクは製品によってカフェイン含有量が大きく異なりますが、製品1本当たり36~150mg程度です。
このようにして見ると、コーヒーが最もカフェインを含む飲料ではないことに気づくのではないでしょうか。
カフェインの適正摂取量はどれぐらい?
それではカフェインの適正摂取量はどの程度なのでしょうか?
カフェインの1回の摂取限度は、体重1kgあたり2.5mg程度までと言われており、体重60kgであれば150mgです。コーヒーを続けて飲むなら2杯までが限度。エナジードリンクは1本だけの飲用が限度です。
眠気防止薬におけるカフェインの一回摂取量は200㎎、1日当たり500㎎が上限とされています(この上限値は覚えておきましょう)。
カフェインに潜むリスク
カフェインは多くの飲料等に含まれていることから、思わず過剰摂取してしまうリスクが高いと言えます。
過剰に摂取してしまった場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。
日本国内においてもエナジードリンクを日常的に大量摂取されていた方がカフェイン中毒で死亡されるといった衝撃的なニュースもあり、特に注意が必要です。
また、カフェインには、その作用は弱いながらも依存を形成することも判明しています。毎朝コーヒーを1杯飲む程度であれば全く問題ありませんが、日常的にエナジードリンクを飲用、眠気防止薬を服用することは依存のリスクが高まりますので、控えなければいけません。
妊婦、授乳婦におけるカフェイン摂取の是非
妊婦がカフェインを過剰摂取することにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があることも英国食品基準庁(FSA)より公表されています。
カフェインの乳汁への移行も確認されています。乳児や幼児は大人と同量のカフェインを接種した場合でも、血中濃度は大人よりもずっと長い間持続すると言われており、乳児や幼児はカフェインの影響が起こりやすいと言えます。
妊婦や授乳婦においても、カフェイン摂取はできる限り控えた方がよいと言えるでしょう。
関連記事
-
登録販売者になりたい人へ
登録販売者試験対策! 植物由来ではない生薬から覚えよう
漢方を理解するためには生薬をまず覚えよう 漢方薬は様々な生薬からなる医薬品なので、生薬の特徴をまず理解すると漢方薬についても理解がしやすいです。 また、その際は漢字から覚えておくことをおすすめします。漢字から部位や基原に […]
-
登録販売者になりたい人へ
登録販売者試験対策! 酔い止めはその成分と副作用が覚えるポイント!
そもそも乗り物酔いってなに? 乗り物酔いとは、乗り物の動きや振動によって起こる一過性の病的反応のことを言います。主に吐き気、嘔吐、だるさ、冷や汗などの症状が起こります。 2歳頃までは脳や三半規管の働きが未発達なため、一般 […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】漢方処方を理解して覚えよう! 麻黄(まおう)の覚えておくべきポイント
麻黄とは? 麻黄(まおう)は、マオウ科のマオウなどの地上茎を乾燥させたものです。 中国、モンゴル、日本にも自生しており、そのまま口にすると舌の先を麻痺させ、黄緑色にさせることから麻黄と名付けられたと言われています。 麻黄 […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】自分で説明できますか? 医薬品の定義と分類を再確認!
医薬品の定義 医薬品は「医薬品・医療機器等の品質・有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)によって規制されており、医薬品は以下のように定義されています。 【薬機法:第二条】 この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物 […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】薬の形による特徴って知ってる?薬の基本知識をおさらい!
主な内服薬(内用薬) 錠剤 錠剤は最も一般的な薬の形でしょう。薬の原料粉末を押し固めて成形したものを「素錠」や「裸錠」とも言います。 薬の苦みや独特なにおいなどを軽減させるために、素錠を甘味のある乳糖などでコーティングし […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】薬が働く仕組みの基本!「吸収・代謝・分布・排泄」を理解しよう
薬の作用 そもそも薬が示す作用は「全身作用」と「局所作用」に分けられます。 全身作用:医薬品の有効成分が消化管などから吸収され、体内を循環する血液中(循環血液)に入り全身をめぐることで薬効を現す作用(内服薬に多い) 局所 […]