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現場で役立つ季節の健康ネタ

桜の季節です! お花見やさくら餅以外に、なにを思い浮かべますか?

日本の春と言えば桜。今年の開花は去年よりは少し遅れる予想になっているようです。お花見で宴会!は楽しいものですが、みなさん、飲み過ぎ食べすぎには注意してくださいね。

 香りの正体~さくら餅の葉っぱ~

さて、この桜。有名なのはソメイヨシノですが、ソメイヨシノの葉から抽出されるエキスは化粧品や石鹸などにも使われており、保湿、美白、抗炎症、肌荒れなどに作用があるとされています。また、さくら餅などに使われる塩漬けの葉は、甘い香りがしますが、あの匂いの元はクマリンという物質。

ただし、このクマリンは、桜の葉そのままや、木に茂ったままの葉からは匂いません。クマリン酸という糖と結びついた状態から、塩漬けなどの過程を経て、加水分解して糖がはずれ、化学変化で最終的にクマリンが生じて甘い香りがするようになるんだそうです。さくら餅の葉っぱにも、出来上がるまでになかなかにややこしい条件があるんですねぇ…。

でも実はこのクマリンには肝臓毒性があるそうで、あんまり大量に食べる時には気をつけないといけないんだとか。お湯にはほとんど融けないので、桜湯を飲んでも影響はないそうです!さくら餅の葉っぱをもりもり食べる人もあんまりいらっしゃらないでしょうから、こちらもあまり心配はなさそうですね。

樹皮にもこんな効果が!

和漢としては、桜皮(オウヒ)という名前で樹皮が使われます。これは、日本の昔からの民間薬として、解毒、咳を静める、痰をきる、腫物、じんましんなどに効果があるとされてきました。こちらの桜皮は、ヤマザクラやソメイヨシノなど同属植物の周皮を除いた樹皮を乾燥したもので、おもには山ザクラを用いることが多いとのこと。

この桜皮から作られるエキスは「ブロチン」という名前で、痰を切り、咳をしずめるお薬として流通しています。ほとんど副作用のない、安全性の高いお薬だそうです。

いろんなものがお薬になるものですが、確か桜は傷に弱い木だと聞いたことがあります。皮などを剥いでも大丈夫なんでしょうか?そういう場合は「お薬を取る用の桜」などがあるのでしょうかね?お花見に出かけられる方は、けして観賞用の桜の枝を折ったりはしないでくださいね!

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