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実は、世界的には思ったよりも深刻なことに~肥満について~
日本の肥満度ランキングは?
日本では、モデルのように細いことが良いこととされる傾向が強く、ダイエット関連商品などは、経済的にも大変大きな市場があります。世の中にはありとあらゆるダイエット法やダイエット食品があふれ、健康志向も強くなっています。
そういう世情を反映してか、世界における日本の肥満度は、先進国肥満度ランキング最下位なのです。むしろ、そこからまだどこを削るのか聞きたくなる方まで「痩せなくちゃ!」と言っていることのほうが問題な気がします(苦笑)。
各国で増え続ける肥満問題
アメリカでは、肥満問題はより深刻です。重すぎて救急車に乗れない患者まで現れ、ボストンではなんと385kg対応の特別車が導入されました。おそらく日本人では、体格や体質的にそこまで太れる人は少ないのでしょうね。
インドや中国など、経済の発展に合わせて近年ファーストフードや清涼飲料水・炭酸飲料が普及してきた国にも、急激に肥満や糖尿病は増えています。それに応じて「肥満なのに栄養失調」という方も増えているのです。安価で簡単に食べられる食べ物に多く含まれるのは炭水化物です。炭水化物だけの食事を続けると、栄養が大変偏ります。
だから、手軽に取れるファーストフードやジャンクフード、インスタントラーメンなどに加えて、清涼飲料水やおやつばかりを食べていると「肥満なのに栄養失調」という奇妙な状況が生まれてしまうわけです。往々にして嫌われものの脂肪も、身体を作るためには必ず必要ですし、タンパク質やビタミン、ミネラルなどは言うまでもありません。
高まる病気へのリスク
肥満のなにが問題なのかというと、やはり心疾患や循環器疾患、糖尿病、骨や関節への負担増加、痛風、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群などへのリスクが上げられます。多くのガンのリスクも高まるとされています。
★肥満はなぜ怖いのか(オムロン)
http://www.healthcare.omron.co.jp/resource/guide/fatness/01.html
高度肥満の人はやせ形の人の4倍あまり医療費がかかるという報告もあるそうです。WHOの基準ではBMI30.0を超すと肥満、25.0以上が過体重とされていますが、日本ではもう少し基準が厳しく、25.0以上ですでに肥満1度と規定されています。ただ難しいところは、BMIだけでも判断しにくいというところでしょうか。
【BMI】体重÷身長(m)÷身長(m)で計算されます。
要素が体重と身長しかありませんので、脂肪と筋肉のバランスや、骨量などもまったく考慮されません。多くのアスリートは筋肉量が多いので、BMIは高かったりするのです。
一人ひとり異なる体質
肥満の二大原因は、食べ過ぎと運動不足とされます。ですが、同じ運動をしても痩せる人と痩せない人がいます。食事も、同じものを食べていても太る人と太らない人がいます。タバコをいっぱい吸っても、肺ガンにもならずに長生きする人もいます。一日中コンピューターの前に座っている人もいれば、一日中身体を動かして働く人もいます。
最終的には、基本を踏まえた健康的な食生活に、自分で生活や体質、既往症に合せたアレンジを加えていくことが大切です。ドラッグストアにもダイエットのためのサプリや医薬品がたくさんあると思いますが、その方がどういうタイプの太り方をしているのか知らなければ、なかなか商品をお薦めするのも難しいと思います。「とりあえず痩せるのちょうだい」と言われても対応はちょっと難しいですね。
食育の見直しで肥満改善
イギリスのシェフ、ジェイミー・オリバーさんがアメリカを初めとする各国で訴えたのは「食育」です。彼は子供たちの成長に大切だとして、学校給食の改善にも取り組みました。「基本の食生活」「バランスの良い食事」と言われても、知識がなければなにをどうすればいいのか判りません。
栄養学や医学は日々改訂されていきますので難しいことではありますが、食に関しての知識を持ち、自分や家族の身体の調子と照らし合わせて健康を考えるという「頭で食べる」習慣が、これからは必要なのではないかと思います。
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